経営者専門の保険屋、ざっきーです。経営者専門らしく、資金繰りを適正化した事例がありましたので、ブログにしてみました。
僕は、資金調達コンサルタントでもないし(うさんくさいな)、資金繰り適正化コンサルタントでもありませんが(わはは)経営者の皆さんを取り巻く、リスク(不確実性)から、皆さまをお守りする「保険」を扱っていますから、そうゆうことを「お節介」でやっております。
そう、僕がやっているのは、僕の愛を込めた「街角コンサルティング」の類です(笑)
暑苦しいけど、、、
何か、僕らしくて、お客様に名付けて頂いてんですが、気に入ってるんです「ざっきーの街角コンサル」って!
さて、問題解決に関しては、数百万円のコンサルフィーを支払って、確実に実行しなければならない事も多くあると思いますが、、、
経営者ご自身が、その都度、判断する事柄については、その場限りの成果で満足するよりも、皆さんご自身が勘所を体感して頂いた方が、長く続く経営全般に貢献できるんじゃないのかな?って、思うんですね。
僕自身が、金融機関の中でも「長期の視点」を持ちやすい生命保険契約を扱っているからかもしれないのですが、経営とは継続する事ですから、できるだけ「本質」を理解して頂きたく思うわけです。
だから僕のブログ自体が、お節介(笑)気に入らない方は、陰口をたたいてくださいね♪
でもね、ひとりでも、役に立った、そうだったのか、と言って頂けるなら、それでいいと思います。
経営者の皆さまにとって、資金調達の本質的な視点を持つことは、役に立つことと、僕は信じていますので。
目次
- まえがき
- 現状を知る事が、経営改善のためには大事だと思うんです
- まず行うのは、銀行借入明細から、元本返済額を抽出すること
- この要素で、皆さんなら、どう資金繰りを考えますか?
- 保険屋の僕が、財務改善や、資金繰りの適正化を意識する本当の理由
まえがき
ご紹介を受けてから、まずは現状分析をさせて頂きますので、三期分の決算書と銀行借り入れ明細、そして加入中の生命保険契約などを確認しながら、経営者の方のお悩み事を伺う訳ですね。
全てのビジネスって一緒だと思うんだけど、今ここにある問題点から、現状分析を行なって、問題の本質の抽出し、そして具体的な解決方法の策定と実施を伴走していく、こんな流れになります。
ええ、普通に考えれば時間が掛かります!だから、コンサルフィーを頂いたり、契約を巻いたりするんですよね。
僕はしないけど(笑)
違うな、金融機関勤務の兼業の禁止があるからできないんだ、格好をつけちゃいけないね(すいません)
僕にとっての仕事は、「僕が」お節介したい方だけにしたいなと思っているからだった!それに、儲けるだけの仕事は、もう、ワクワクしないからしたくないんだなー
もちろん、経営者の方によっては、資料を出して頂けないので、そのままになっている方もいらっしゃいます(笑)
それでいいと、僕は思います。
経営は生き物です「今すべきことは何か」は、経営者の方の判断事項、保険屋である僕がとやかくいうことではありません。
人生も生き物です。タイミングがあり、流れがあり、僕が何かできる事ではありません。
「縁」というものの不思議さを、長く生きてくると実感しますねー
でも逆に、どんどん資料を出していただければ、どんどん関係性も深まるし、周辺のわかりやすい問題は、すぐに改善のプロセスが見えてきます。
僕も、信用残高を高めるためにも、資料がなくても、仮説を立て、一般的な問題に置き換え、経営してきた限りの解決策を隠さず話すよう心がけています。
そうは言っても極論を言えば、僕も人ですから、大事にされれば大事にしたくなる。つまり、ビジネスも、恋愛も、人が介在することは全て一緒じゃないのかなって思います。
さて、
ちょうど半年前ぐらいに、あるお客様の社長から、古くからの友人でもある社長をご紹介をいただいて、街角コンサルティングを行なっていたのですが。
最初にあった経営課題を解決していく中で、現状把握をきちんとしていくと、どう考えても「銀行格付け」高く、帝国データバンクの評点で言えば52点はあるのに、借入金の大部分が保証協会付きだったり、金利が2%前後だったりと、、、
これは、おかしいな?ということがありました。
現状を知る事が、経営改善のためには大事だと思うんです
経営者の方に、詳しく聞いていくと、先代からお達しで「銀行とは交渉なんかしてはいけない、言われた通りの条件で借りておけばいい、そうでないといざという時に助けてくれない」ということで、ノータッチなんです。という状況でした。
でね、小さな会社でもあるんだけど、従業員さんの給与と、賞与はきっちり払うことを前提にしているので、経営者の方の役員報酬はかなり抑えていて、資金繰りのバッファーとしても使われてるんですね。
だから、キャッシュとして役員報酬を受け取ってなかったり、本来であれば取ってもいいはずの役員報酬を、取らないようにされているとのことでした。
業種的にはエネルギー関係で、地場に密着した形態をとりながら、幅広い範囲での商いをされており、売上も微増ではあっても右肩上がりで維持をされています。
もちろん、利益率も高く、ずっと黒字を続けられているし、毎年、従業員10人でありながら、調整をしなければ5千万円を超える経常利益を出されている経営状況です。
ある程度の節税も行うために、一括償却資産の購入など、その時々の対処はして来られたようですが、きっちり繰越利益剰余金を積み上げられているという状況でした。
「でもね、ざっきー。実はね、そうはいっても、資金繰りが厳しいんです、なんでだろう、、、」
何度かの面談を経て、現状把握から、問題点の抽出を行なっている時に、社長からついに本音が出てきました。
ですよね、決算書の読み方などを、詳しく理解されている経営者の方ではなかったけど、自分が引き継いでからは、自ら営業して、ずっと黒字を続けているんです。
そして、先代の言葉を守って、自分の役員報酬を落としてでも、従業員の給与と賞与を同業他社よりも払い、雇用を維持し、地場ではなくてはならない企業として、古くからのお客様を維持しながら、お客様の悩み事を解決してきたのです。
そりゃあ、疑問ですよね。なぜ、資金繰りが厳しいのか、、、
ここからが、CFM(キャッシュフローマネジメント)、つまり資金繰り適正化のプロセスを行うことになりました。
わかりやすくするために、このプロセスを単純化しながら、解説してみますね。
まず行うのは、銀行借入明細書から、元本返済額を抽出すること
こちらの会社での借入金は、単純化して説明すると二本ありまして、
①プロパーで3000万円5年金利1.67%というものと、
②保証協会付き7000万円7年1.90%でした。
これ、CFMの視点で見ると、それぞれの元本返済額を確認することが大事なのです。
そうすると①は、毎月50万円の元本返済額になりますし、この時点での残債は2400万円でした。
そして②は、毎月83万円の元本返済額で、この時点での残債は1600万円で、合計すると毎月133万円、年間1,596万円のキャッシュフローが、必ず必要なのだ、ということがわかります。
でね、
ちょうど、銀行格付けが高いこともあるし、①については金利が高いんじゃないの?という指摘を僕が以前から行なってまして。
社長も、先代からの申し伝えはあるものの、メインバンクの担当者に、銀行格付けの話と、代表取締役の個人保証の必要性を、問いただしてみたらね。
銀行からは、新たに、こんな条件ができてきました。
③プロパーで5000万円5年1.06%
さらに、こちらは無保証の条件提示(なんと、支店長印ありのペーパーでの提示なんすよ)、おいおい、今まで、黙ってたんかい!って話なのですけど、金利自体は下がる方向で、しかも無保証での提案が出てまいりました。
本当は3000万円だったそうなんですけど、社長が、そもそも1年前に、①を提案してきたことが変だから、①を返す!って行ったところ、それでも仕方がないので、だったらもうちょっと借りてください!ってことになって(笑)5000万円なんですって!
おいおい、融資条件の変更に使っていいんかい!
それなりの名前の通った地銀だし、その会社のメインバンクなのに、何をやってるの?って話なんですけど、まあ、これが現実なのかもしれません。地銀の経営状況が厳しいのは知っていますが、他行に流れるぐらいなら、というロジックの様です。
経営者の方が現状を把握し、単純に金利を下げろ!という話ではなく、ロジックを持って交渉をすることによってのみ、道は開けるのかもしれませんね、、、
金融機関というところは、本音と建前の世界ですから、理屈に反したことをやることはありません。人情や、ルールにないことでは基本的に動けません。
「金利を下げる」、「保証を外す」これには裏付けがなければ、できません。腹を割って話したらできる、お願いしたらできる、そんな事はありません。
金融機関の貸付金というのは、ルックスルーするとわかりますけど、預金者のお金ですからね。
銀行自身が、銀行のお金を融資をしているんではなりません、預金者が融資しているんです。この視点が大事!
信用が高いところへの融資は、金利は下げられますが、信用が薄ければ、金利は高くなります。
貸付期間も短くなります。
ご自身お預金が、誰に貸し出されているのかを考えれば、直ぐに解ることかもしれませんね。
ちょっと、脱線しました、戻ります。
さて、この新たな提案も、CFMの視点で考えますと、③は毎月83万円の元本返済額となります。
この要素で、皆さんなら、どう資金繰りをどう考えますか?
当初、社長が僕におっしゃていたのは、今すぐに手元のキャッシュフローが足りないわけではないので、③の借入金額を4000万円にして、①を借り換えればいいんだよね。というご判断でした。
僕は、それもいいですよね。だって、現状を把握した上で、きちんとした申し出から交渉になり、銀行から借りてください、借り換えてもいいですよ、という条件が出てきたのですから。
そして、それによって、金利が下がりますからね、と答えました。
でもね、
視点をちょっと変えて、CFMで考えるとどうでしょうか?
②の借入金って、月々の元本返済が83万円あるんだけど、残債は1600万円、この元本返済が多いものを先に返済しちゃったら、どうなりますか?という話をしました。
このお話の場合は、ちょうど、①についても、残債は2400万円ですし、①と②を合計した元本返済額は月133万円です。
これを、③を全部借りて、借り換えちゃうと、月々の元本返済額が83万円になって、CF(キャッシュフローベース)でみると、月50万円のCFが浮くんですよ!
従来の月々の元本返済分は、①50万円+②83万円=133万円
借り換え後の月々の元本返済分は、③83万円
差額の月々のCFは、50万円
でね、更になんですけど、
手元の現金残高は、1000万円のプラスになっていませんか!
月々のキャッシュフローの改善は、資金繰りを改善するだけでなく、浮いた分については、経営者の打てる、次の一手への大切な原資だと思うのです。
キャッシュがあれば、従業員さんを募集したりできますし、新規事業への投資であったり、経営効率を上げるための投資であったりと、経営そのものの原資となるからです。
これが、CFM(キャッシュフローマネジメント)の基礎的な考え方です。
どうぞ、これを読まれた経営者の皆さん、金利ではなく、借入期間に影響を受ける元本返済額と借入残債に注目して、毎月のキャッシュフローをエクセルにでも落としてみてください。
気づくことが、必ずあります。
そして、もし、僕と同じく生命保険募集人をされている皆さんが、このブログを読まれていたら、この考え方をパクってください。
法人契約も、個人契約も、キャッシュフローを本質的に理解した先に、お客様に貢献できることがあることに気づきますし、今まで法人の経営者に対して、見えていた世界が変わりますから。
保険屋の僕が、財務改善や、資金繰り改善を意識する本当の理由
僕の仕事は、生命保険契約を販売する事です。
これ以外に報酬は、何もありません。
もらう気もありません。
良い悪いとか、損得とか、経済合理性とか、効率性とかの話じゃなくて、、、単なる、僕の哲学です。
いろんな経緯があって、今の仕事をしていますが、僕は今の仕事の専門家でありたいので、それをもって社会に対して関わりたいと思っているからなのです。
そして、その生き方がどうかというのは、他人の評価ではなく、自分が自分をどう評価するのか、だと思っているからなのです。
まあ、稼ぐという事は、今までもしてきましたから、ある一定金額以上を稼いでも、人生にはたいして関係がないことを知ってしまったからかもしれませんね(笑)
そして、逆にお金に囚われた方を、本当に多く見てきたから、自分の哲学、つまりどう生きるのかを大事にしたいと思う様になったのかもしれません。
だから、本質を語るとすると、僕の仕事である法人契約での生命保険契約は、会社のキャッシュフローを悪化させることを、理解しているから、もの凄く注意を払って取り扱う必要があることを、知っているのです。
経営者のお仕事の究極な目的は、その方の事業を「継続」させることです。
そして、継続するためには、財務と資金繰りがとても大事なのです。
生命保険契約が、経営を取り巻く経済的なリスク(不確実性)から、会社をお守りする仕組みではあるのですが、そのための保険料は、キャッシュアウトされる事は間違いないのです。
この、メリットとリスクのバランスを、お客様である経営者の皆さんに、きちんと伝え、理解していただける手助けとなる様な仕事をしたい、そう思うからなのです。
だから、僕の場合は、せっかく経営者の方から「将来の退職金のために積立を生命保険契約でしたいんだけど」と言われても、現状から、お断りしたり、違う改善提案など余分なことを色々するので、嫌われたり、切られたり、するんですけど、、、
それもしょうがないなって(笑)
お客様のニードが、明確であって、それが自分の商いに直結してるのに、断るなんて事は、もしかしたらお客様の気持ちに寄り添えていないのかもしれないし、営業担当失格かもしれないんですけど、、、
それでも、自分が信じる哲学を全うしようと思います。
我儘で、独り善がりかもしれませんが、それが、今の経営者専門の保険屋、ざっきーの在り方なので。
少しでも気付きや、参考になれば、嬉しいな~
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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