経営者専門の保険屋、ざっきーです。諸事情がございまして、ブログを書いていなかったんですが、年末の時間を借りて、本業と全く関係ないからこそ、お伝えしたいことをまとめて書いてみました。
テーマは「お金」についてです。一応、金融機関勤務だからね!
過去から未来への変化を理解することで、これから生きていく上で切り離す事のできない「お金」の本質を、ざっきーがどう理解しているのかをお知らせしたい、と、ここ数ヶ月思っていました。
いろんな方のお話を聞いている中で、どうも「お金」について「あれっ」って事に接することが多くてね、気になってたんです。
なぜなら、この「お金の本質」が腹落ちしていないと、誰がなんと言おうと「お金」に不安だし、他人から上っ面で大丈夫だからと言われても「お金」が心配になってしまうのです。
そして、そもそもお金がちょっとあるぐらいの方に「大丈夫だよ」とか、「頑張ってれば上手くいく」とか、「そんな事気にしないで、今を楽しく生きろ」とか、って言われも、心の奥底では、ぶっちゃけ不安で、全面的に信用できなくないですか?(笑)
僕のこの話は、僕のお客様の富裕層(金融機関の富裕層の定義とは、金融資産10億円以上所有の方)の方々から、直接伺ったお話と、伺ったお話を理解する過程で必ず行なっている、僕の報告の際の喩え話、それを元にした、あくまでも僕の理解です。
よく語られることですが、歴史を振り返えれば、現実の問題の多くはすでに経験されており、さらに解決策もわかっていることが多く、だからこそ経営者の方々は、歴史を学ぶことが多くなるし、歴史を構成してきたのは人であるから、人の内面を理解しようと様々な文献を読む解くことになるわけですよね。
だとしたら、お金についても、僕なりの理解ではありますが、今まで伺ってきた話や、実際の経験からの気づきも交えて、過去から未来を書いてみることで、見えてくる「本質」があるんじゃないのかと思うのです。
どうぞ、長文ですが、お付き合い頂ければ幸いでございます。
目次
- 原始、人類は物々交換から経済をはじめました
- ツケを記録するという欲求の発生
- そして「貨幣」が登場します
- 紙幣なんて、所詮は「木の葉のお金」と一緒です
- つまり「お金」とは「信用の記録」ということです
- 「お金」として銀行に預けているのは、実は「信用」です
- 「信用」と言えば「クレジット」、クレジットカードの本質とは
- 未来では「信用」が、とても大事な社会になります
- 最後に、日本の現状がどうなっているのかというと
- まとめ、というよりも、今後の課題
原始、人類は物々交換から経済をはじめました
文化人類学の範疇に入ると思いますが、原始の社会、つまり自給自足の社会から「経済」はすでに始まったと推測されています。
経済とは取引(トレード)が行われる社会構造を意味しますので、自給自足の社会ですと、取れずぎた農作物や、魚介類、食肉動物に「余剰」が生まれた時にのみ、取引がなされたと考えることができます。
そうですよね、自分たちが必要な食料さえない場合、取引を行うことは、あり得ませんから。
さて、では「余剰」が生まれたとして、その大部分は、当時の技術では保存が不可能だったので、当初「余剰」は破棄されたものと考えるのが普通です。
でも、群(むれ)という集団行動を行なっていた人類は、余剰物が生じた場合は、他の集団との余剰の交換を行うようになったことが、文化人類学や、考古学の研究によって明らかになってきています。
物々交換のイメージとしては、山の民である集団が、食肉や毛皮などを、ある「交換場所」に置き、その場を一旦離れます。
その後に、海の民である集団がやってきて、魚介類などを、その「交換場所」において、食肉や毛皮を持ち帰る形式だったことが、研究から明らかになっております。
つまり「交換場所」においては、物々(モノ)が交換されるまでの「時間」というリスクが存在しました。この時のリスクは、明らかに「信用リスク」ということです。
もし、何も置かずに、モノだけを持ち去るのであれば、その行動は「裏切り」となります。そして、それは物々交換という取引からの追放、つまり、交換経済からの「排除」を意味していました。
この場合、脳科学の分野になりますが、わずか一回でも「裏切り」を行えば、将来の交換経済から得られる利益を失うことになりますから、行動バイアスがかかって一回の裏切りによる「信用」の失墜を行う集団は、いなかったと思われるのです。
だって、食料が常に自給自足できればいいのですが、余剰物を有効に使えなければ、その集団は死滅する可能性まであるのですよね。
こう考えると、余剰物とは「付加価値」であるし、原始の交換経済の根幹は「信用」であることがわかってきます。
さて、とはいえ余剰物がない場合は、交換経済で得られるものを、諦めるしかなかったと思われますが、それでも、どうしても欲しい場合には、相手に「次回の埋め合わせを約束」して、モノを得ることが自然発生的に始まったとされております。
そう「ツケ」という概念です。
でも、よく考えてみてください。この「ツケ」だって、約束を履行しなければ、交換経済からの追放を意味していますので、一回の裏切りで、将来の利益を失うようなことをする行動は起こさなかったのです。
これは、ホモ・サピエンスという生物の根幹にある行動パターンであり、現在の僕たちもこの行動パターンからそれほど逸脱はしておりません。
ツケを記録する、という欲求の発生
ファイナンスの教科書などで出てくる、世界最古の「お金」とは、石でできています。その大きな石に、ツケの内容を刻んでおく、ということで記録がなされていた、という事実があります。
また、別な時代には、珍しい貝殻を、ツケの量に応じて相手に渡すことで、ツケの内容を貝殻の数で記録するというような、様々な工夫がなされて、これがよくよく考えると「お金」の原型ではないか、と言われているわけです。
大切なのは、まずは「ツケ」つまり信用に基づく取引があり、次にそれを「記憶する」何かの方法が必要になったという順番です。
そして、「ツケ」を記録する何かとは、以下のポイントを抑える必要が出てきます。
- 目に見える物体であり変化しない「形式」であること
- 量や、期日などが認識できる「形式」であること
- そして、多くの人が共通して認める「形式」であること
この3つの基準を満たすものであれば、何でも良かったわけです。
だから、巨石や、貝殻、木片などから始まり、後にこれらの形式を進化させるものとして、粘土板や、パピルス、紙などに記録される文字や数字へと発展してきたのです。
そして「貨幣」が登場します
この後、貴重金属として金や、銀や、銅などが豊富に産出されるようになると、それらの重さ(例えば、金1トロイオンスという形式)が「ツケ」を置き換える基準になりました。
ですよね、3つの形式を十分満たしていますし、何しろ小さくて、持ち運びが便利で、壊れなくて、燃えなくてという特徴があったからですよね。
そうなると、それらを「ツケ」とは全く関係なしに、支払いの対価として使用されるようになったわけです。
これは、3つの形式の3番目の多くの人が認識することによって、金銀銅と、様々な商品との交換比率が「市場」を通じて形成され、それを、さらに多くの人々が容認したからなのです。
このように、金銀銅の支払いの対価としての使用というのは、人類の歴史から見ると、ごく最近の出来事になるのですが、市場の発明と合わせ、現在の貨幣制度につながる、重要な発明だったと言えると考えます。
紙幣なんて、所詮は「木の葉のお金」と一緒です
おとぎ話に出てくる狸は、木の葉をお金に買えますよね(笑)紙幣だって、よくよく考えれば「木の葉のお金」となんら変わりまりません。だって、紙そのものに価値はないのだから!これが、金銀銅との大きな違いとなります。
でも、多くの人が紙幣は、①価値を持っていると思い、②様々なものと交換できると思い、③多くの人がその事実を受け入れている、という状況であれば、貨幣と同じように「お金」として機能するわけです。
ね、人が認識すると「お金」になるんですよ!
つまり、長い人類の歴史を振り返れば、巨石や貝殻から、金銀銅の貨幣となり、そして紙による紙幣、手形、証文と変化してきまして、最近で言えばSUICAなどの電子マネー(これは電子的な記録ということですよね)へと発展してきたわけです。
だからね「お金」はいつまでも「紙幣」であるとは限らないんですよ!これ、とっても大事な視点ですからね。
つまり「お金」とは「信用の記録」ということです
巨石であれ、金銀銅の貨幣であれ、紙幣や電子的な記録というこれらのすべては「信用の量(尺度)と、期日の記録」という点で、同じ役割を果たしてきたわけですね。
つまり「お金」とは、ルックスルーしてみると「信用記録媒体」ということが言えると思うのです。
そこに記載されている、その「記録」が正しいという認識を、多くの人が「認める」ことによって、実は「お金」として「お金」は機能しているのです。
そういった意味では、ブロックチェーン技術によって記録された内容は「正しい」と多くの人が認めるから、それがビットコインなどの、疑似通貨の基盤システムとして使われているのですよね。
仮想通貨がどうだこうだ、という話じゃなくて、それを担保しているブロックチェーン技術は、記録した内容を書き換えることができないので、そこが重要なんだということです。
だから、多くの人がブロックチェーン技術を使うことにより担保されている疑似通貨が「正しい」と認められれば、ビットコインなどの仮想通貨も「お金」になる可能性があるし、そういった技術がなくても「お金」に変わるものは出現する可能性がある、ということなのです。
ここがめちゃ大事ね!つまり「お金」じゃなくて、その前に「信用」が大事なんだということですよ。
しかもそれは、多くの人が認める「信用」です!経営者の皆さんならお判りになりますよね。
小さな世界での序列でもないし、だからと言って超有名人である必要もなく、嘘偽りで持っても意味のない、、、そう、信用情報の価値が、どんどん上がっていることを認識して欲しいのです。
信用情報とは何か?わかりやすく言えば銀行格付けだし、調査会社の評点だし、月次決算された信用度の高い決算書の財務内容、ということになります。
ちょっと先の未来では、当たり前になっているでしょう。なぜなら金融機関はAIの導入によって、人を使って面談などで判断するよりも、数値データや、その他信用データでの評価にシフトしていくことが明確だからです。
「お金」として銀行に預けているのは、実は「信用」です
先ほども書きましたが、物々交換の時代から「ツケ」は存在しましたし、「ツケ」の利用が増大していくことで「お金」が生まれてきたことをお話ししましたね。
想像してみてください、そうなると、どこかの時点で「ツケ」(つまり信用)を貯蔵したい、という欲求が現れてもおかしくはありませんよね。
物々交換の取引対象である余剰物(農産物や、魚介類、食肉などの現物)は貯蔵(長期の保管)には適しませんが、余剰物と交換できる「ツケ」はどうでしょうか?
これならば、長期間保存できますよね!!!
この、モノと交換できる「信用」を貯蔵したいという願望を、具体的に実現するためには、貯蔵した信用の量(尺度)や期日を「正当なものだと証明してくれる組織」を必要としたわけです。
そう、それが、現在では、政府や中央銀行だし、よくよく考えてみると「信用」というものは、国単位で発行されている貨幣(紙幣)という単位を用いて、銀行というシステムに貯蔵されているんですよね。
そう考えると、銀行に対して、我々が預金と称して預けているものは「信用」なんですよ!
もっと、わかりやすく言えば、預金通帳ってのは「信用残高記録」な訳なんですよね。
さて、ちょっと、お金からズレますけど、昔は、モノを大量に持っていることが、豊かさの基準だったですよね。洋服しかり、書籍しかり、家電品から、車や家まで、、、
でもね、今現在では「信用」をたくさん持っている人が富裕層だと言えるんですよ。
聞いたことがありませんか?預金残高よりも、信用残高をあげましょうって言葉。
だってさ、預金のままだと、価値が下がっていくんだから、、、日本の国力は、残念ながら労働人口が減っていくように、緩やかにではあるけど下がっていくんだから、そこの政府が価値を担保しているお金は大丈夫、っていえますか?って話です。
だから、まずは預金を持っていればいい、という世界ではなくなる可能性があることに、気づいて頂きたいんです。
預金残高も、ないよりはもちろん、あったほうがいいけれど、大事なのは「信用残高」これをどう上げていくのかということです。
今は、まだ、何のことかな?って思われるかもしれませんが、例えばVALUって、アカウントぐらいは作っておいてくださいね。
そして、仮想通貨もお小遣い程度でいいので、ご自身でいじって見てくださいね。これ、以外にもあるんだけど、多分「お金」という概念が変わりつつあるから、どうぞ、愛する方や、大切な方に親切にしてください。そして、信用残高を高めてください。
これからの経済は、この「信用」がお金の形ではなく、取引される世界になると思いますので♪
「信用」といえば「クレジット」、クレジットカードの本質とは
先ほどの続きになるんだけど、銀行の機能としては「決済」という機能があるんだけど、よく考えると、決済ってのは「信用」の受け渡しってことですよね。
モノを購入するときに、対価としての「お金」を渡すんだけど、これって、売り手に対して一定量の「信用」を送っているわけなんです。
これをさ、クレジットカードで決済するってことは、どうゆうことかというとね、買い手からみた場合、クレジットカードというのは、購入してから現金という「信用」が、銀行口座から引き落とされるまでに時間差があるのですよ!
この間は、実は、信用創造が発生していて、モノは手に入っているのに、現金という名の「信用」は、まだ支払っていないんですよね!
そして、この時間差というのは、売り手にとっては、支払ってくれるかどうかという、リスク(不確実性)であることに気づきませんか?
実は、この時間差というリスク(不確実性)をヘッジしてくれているのが、クレジット会社が提供する「短期の信用供与」なんですよね。
だって、買い手に不払いがあっても、クレジット会社の提供してくれた「信用」が穴埋めしてくれるんですもん。
でもね、この「信用」は無料ではないんです。2~6%という手数料(=販売側が負担するコスト)を誰かが負担せねばビジネスは成り立ちません。
で、誰が負担しているのかというと「売り手」なんですよね!
だから、現金支払での価格と、クレジットカード支払での価格が一緒だったら、僕は100%クレジットカードで決済します。ポイントとかという話じゃなくて、信用創造が起きているからね。
だって、1ヶ月単位でクレジットカード決済が30万円あったとすると、この分の現金は翌月になるまで支払わないのですから、キャッシュフローとしては増えているということに気づきませんか?
そう、クレジットカードで、僕が作る出しているのは、手元流動性の高い現金という信用を作り出しているんです。
でね、最近はクレジットカードじゃなくて、デビッドカードってのもあるんだけど、こちらは、取引と同時に銀行口座から現金が引き出されるわけだから、信用創造は起きていないよね。
まあ、当たり前だけど「ツケ」じゃないし、したがって、売り手側も時間差の信用を調達する必要がないから、手数料負担がなくなるんだけど、買い手側にとっては関係ないことがわかるかな?
つまりさ、日本人の一般的な常識として言われてきた、現金ですぐに支払うってのは「ツケ」という人類の英知を使っていないということでもあるんだよね!
ファイナンスリテラシーがあまりにもお粗末なこの国だけど、ニコニコ現金払いが素晴らしいとか、借金は悪だとか言っている方がいらっしゃれば、それは本当に理解をしていないという証左でもあるんだ。
これからの時代は、明らかに「信用」(クレジット)の世界になってくるから、その実例を中国で起きてることを例にとって解説してみますね。
未来では「信用」が、とても大事な社会になります
僕が中国(といっても、返還前の香港だけどw)に行ってた後ぐらいから、中国人の買い物の支払いと言えば「銀聯カード」(UnionPay)と言われたのは、もう遥か昔の話だそうでして、今では、アリペイ(Alipay)とウィチャットペイ(WeChatPay)が中国全土を席巻しているそうです。
しばらく行ってないから、これはあくまでも、ヒアリングしたお話ね!
特に、最近お話を伺うと、上海などでは、中国人は現金をほとんど使わないと、、、代わりに、スマホをかざして支払う、アリペイか、ウィチャットペイだと聞いています。
このアリペイと、ウィチャットペイが伸びている背景ですけど、まずは①「安くて、簡単で、早くて、便利」というスペック的な利点と、もう1つが②「信用が中国人の人生にとって重要だという認識が常識化した」という点だということです。
まずは、①の「安い、簡単、早い、便利」は、古今東西、世界中が同じ価値観ではあります。というか、日本がかつては得意な分野ですよね。
先ほどの話を思い出して頂きたいのですが、銀聯カード(UnionPay)はクレジットカードであって、これは短期の信用調達のコストが発生しますが、アリペイや、ウィチャットペイは、スマホを使った同時決済でありデビッドカードと一緒で、時間差という信用リスクが発生しないため、売り手も「安い、簡単、早い、便利」の利便性を享受できるんです。
つまり、売り手も買い手も「安い、簡単、早い、便利」を享受している、この点が爆発的な利用の広がりの理由の1つだと考えます。
でもね、もう1つの②の「信用が人生にとって重要だ」という事は、中国社会にとって革命的なことなんだということを教えて頂きました。
実は、これまでの中国社会で、最も欠けていたものが「信用」だったのだそうです。
はい、なんとなくわかります。いろんなトラブルに接してきましたからね。
例えば、二重帳簿、三重帳簿は当たり前だし、家族でもあっても、一部の人間にしか本当のことを教えないし、血が繋がっていなければ、嘘は当たり前、見抜けないほうが悪いという価値観に接してきたいたからです。
だから、モノやサービスの価格というのは、あっても無きが如しで、値切り交渉や、駆け引きが前提というのが当たり前の価値観でしたし、請求されるまでは絶対に払わないし、請求されても色々な理由をつけて払わないという、それはもう、阿吽で生きてきた日本人の価値観とは相入れないし、それ以上に経済効率として悪かったのが、中国という経済市場だったわけですよね。
確かに、社会を更生するのは人ですから、その人々の間での相互信頼が低ければ、取引や決済についてのコストは高くなり、社会全体としても経済運営のコストは高くついてしまいます。まあ、とっても非効率だったわけですね。
ところが、習近平政権になってから始めた腐敗撲滅運動と軌を一にするように始まった、QRコードをスマホで読み取るアリペイとウィチャットペイ」という決済システムが、中国社会の価値観を変え始めているのだそうです。
同時決済のシステムは、悪いことや自分だけが儲けることをしようとしてもできないし、それにはリスク(不確実性)が高くつく社会となったのです。
つまり、人を騙そうとしても騙せない、なぜならそれをするにはコストがかかりすぎて割高になるという社会を、デジタル的に作り上げ、「ルールを守り、真面目にコツコツやったほうが結局はトクだ」という仕組みを社会に広め、ごく自然に、社会を構成する人々に「良い行動」をさせることに成功したのです。
これには、さらにアリペイの付加機能として「芝麻信用」という信用情報管理システムに繋がっており、支払いをしなかったとか、レンタル自転車を返さなかったとか、いろんな反社会的な行動をとると「個人の信用記録として残る」ことになっているのです。
つまり、レンタル自転車(ごとき)をきちんと返さなかった、などという少額の決済トラブルによって、個人の信用スコアが減点されてしまうと、将来、住宅ローンを借りる際などに金利が他人よりも高くなってしまい、数百万円もの負担増加による経済損失を受ける可能性が、明確になってきたからなのです!
そう、個人の信用スコアというものが、ガラス張りになってきたのです。
もう、こんな風に社会システムの根本を、ガラッとかえられるのも、中国の凄さなのかもしれないけど、それぐらい劇的に「信用」についての重要性を認識した中国人は、急速により良い経済人になりつつあるのだそうです。
ここを間違えてはいけないと!
コンプライアンス順守意識が低く、空気に流されやすい日本人よりも、数年でガラリと変わる中国人との差は大きなものになる可能性を秘めているのです。
「信用」こそが、人生にとって最も重要! 信用スコアをアップさせることが人生を豊かにする、ということを認識した中国人は、多分これから訪れる「信用本位制資本主義」という世界において、先頭を走り始めたのだということを、理解しておく必要がありますね。
最後に、日本の現状がどうなっているのかというと
まあ、日本でもね、アリペイやウィチャットペイのようなサービスができないだろうか?ということで、審議会は始まってはいるんですよね。
でも、2017年11月時点での答申では「3年間議論をして、どんな条件で誰に許可するかの方向を出す」ということであって、その3年後の答申を受けてから、具体的な各論を検討する、という内容だったですよね。
遅いよね、本当に遅い、、、
まあ、そうゆう国だし、だから少子化も、どうしようもないところまできているのだけど、未だに政策としてはグラついてて、2050年には、本当に労働者が足りなくなる状況になることは確実ですよね。
さて、ちょいと話を戻しますと、その審議会も、要は「3年間は何もしない」という事なんですけど、その背景には、省益の対立があるんですよね。日本の場合は、どうしても新しい事柄にたいして、この縦割り行政の問題が生じて、変化のスピードが鈍りますね、、、
具体的にいいますと、デビッドカードは「金融庁」だけど、クレジットカードは「経済産業省」ですから、省益が対立するんですよね。
でも、その背景にはね、アリペイやウィチャットペイは、クレジットカードを取り扱っている業界には大打撃だし、銀行もクレジットカードを使ったサービスで多額の利益を出していますから、、、翻ってアリペイやウィチャットペイは、先に書いた通り、売り手の、つまり小売店の手数料負担が減る事を意味しますから、明らかに担当している業界をイメージする通り省益が対立するわけです。
世界は大きく変化してきているのに、変化のスピードに乗れないってのは、ちょっと悲しいのだけれど、自分で体感できることは、まずやってみるぐらいの挑戦が必要なのかもしれません。
次に、今年のキーワードになったフィンテックにしても、明らかに低コストでの送金決済ができ、経済効果は予測できるはずなんですが、その「低コスト」ということ自体が、銀行業界全体では、利益を侵害することとになるので、銀行としては、自分たちで送金業務を独占したいという立場が透けて見えてきております。
残念ですが、強力な既得権を持ち、強力に保護されている銀行業界が、融資の伸び悩みや、債券運用の低下というこの状態で、新たなビジネスモデルを創り出さない限り、新興フィンテック企業に、送金業務や、決済業務をゆだねるとは思えません。
今から、世界で、特に中国で起きている信用本位制資本主義の萌芽からの発展に対して、目先の利益にこだわっている以上、日本は10年以上遅れてしまう可能性すらあります。
まとめ、というよりも、今後の課題
くどくど書いてきてて、何が言いたいのかっていうとね「お金」の本質って「信用」だし、「お金」って変化していくもんなんだという事なんよ。
つまりさ、
「お金」がないというのは「信用」がない、と告白しているようなものだし
「お金」が欲しいとか、稼ぎたいっていうのはね、あなたの「信用」をください、って言っているようなものだし
「お金」が減るのは怖い、なんてのは、私は「信用」がないから「信用」を差し出すのがいやなの!って言っているようなものだし
あれ、これってさ、こう書いたら誰でもわかると思うんだけど、そりゃあ、上記のようなことを考えている人に、他人は「信用」を渡そうとするのか、なんかしないよね(笑)って思うんです。
そして、この「信用」は、今後の決済手段の進化に伴って、可視化された「信用スコア」になる可能性があるってことなんだよね。
だからさ、僕自身は、仮想通貨をいじり、VALUをいじり、レターポットなどをいじりはじめるわけですよ(笑)
だって、リスク(不確実性)をマネージメントするプロだから、それが保険屋の本質的な仕事だからです。
さて、ちょっと先の未来は、信用本位制資本主義とか、関係性資本主義とか、いろんなことが言われていますど、基底にあるのは、人と人の「信用」です。
これは一朝一夕にできることではないけど、必ず必要になってくるのです。しかも、本当の意味での「信用」だから、今までの評価軸では醸成できないのではないかと思います。
かつては、職業とか、役職とか、資格とか、立場とか、見栄えとか、いろいろ盛る事ができましたけど「信用スコア」が可視化される近い未来では、あからさまに評価されてしまうと思うのです。
まあ、僕個人としても、「僕はとってもクソ野郎で、ゲズなところもあるけど、素晴らしいところもある」という、今あるものすべてまるっと受け入れて、勝手に大好きな方々に発信していく一年にしたいな♪と考えています。
今年一年、お世話になりました。最後に書いたブログがめちゃ長文ですが、今後、刺さっていく内容になっていると思います。僕は立ち止まらずに、いろんな揉め事を起こしながら、転がって参りますので、どうぞ、笑いながらも、たまには刺激として、お付き合いくださいね。
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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