先日、ちょいといろんなきっかけが重なりまして、90歳を超えるレディーに、出張シェフをする機会がありました、ざっきーです。
僕は、経営者専門の保険屋で、金融機関の正社員ですから(そうなんだよー)出張シェフというのは、ライフワークです。
あのね、僕ね、
仕事からそう思うのかもしれませんが、人は必ず「死」にます。
だから、いつか起きる「死」に向かって時間を進めている今が「生」きているとなりますね。
だから、誰かのために「生」きていても、誰かに褒められたくて「生」きていても、「死」ぬのは自分です(笑)
だから、自分のために「生」きた方がいい、と思うようになったんです。
不謹慎に聞こえるかもしれないけど、
嫌われたり、批判された時に「死」ねとか言われたり、書かれたりするけど、
まあ、いつか「死」ぬからいいし(笑)死ぬこと自体が、自分のものだから、
他人の手に「死」はないんだ。だからさ、他人のための「生」をやめることにした。
そう、「生」きることは、壮大な暇つぶしだから、肩に力を入れず、その時の一瞬を大事にして、自分のしたいことを優先していくとね、
なぜか、他人に愛をあげたくなる(笑)
そんな感じだから、料理を作るということも、
以前は、人脈作り(今の僕はこの言葉、大嫌いやけどね 笑)のためにやってた部分もあったけど、
最近は「僕がやりたいのか」が、出張シェフをさせていただくポイントなのかも知れません。
ああこれ、僕の場合は、仕事と一緒です!
頼まれれば誰でも、オファーを受けるわけではないし、
業績につながりそうだからやっているわけではないし、
お金払うからって言われても、だったら絶対にやらんし(笑)
料理って、食べ物を作ることなんだけど、
食べるってことは、僕の中では、今を生きることなんだよね。
それだけじゃないかもしれないけど、僕の中では大切なものなんだ。
このブログは、僕の大好きな経営者のみなさんに、伝えたいことを書いているんですけど、
まあ、経済や、財務の話は、お会いした時には話しているので(笑)
料理の話ってのは、僕の中では、僕の場合は、自分を「生」きるに直結していることだから、
たまには書いていきたいと思います。
その90歳を超えるレディーにお目にかかったのは、入院されていた病室に、お見舞いに行かせてもらった時でした。
詳しくは書けないのだけれど、まあ、簡単にいうと、僕という人間を判断していただくためです。
術後、数日の状態でしたので、やつれられてはいたけど、目には力がありましたし、何と言っても言葉に力をお持ちでした。
だからお会いして、僕は直ぐに、ああ、見抜かれる、、、と覚悟しました。
もうね、ご自身の人生を、徹底的に、生きてこられた方のオーラってのは半端なくって、付け焼き刃の言葉や、態度、しぐさではごまかしきれません。
僕は「ああ、凄いな」という感想と、身体を治して、病院になどに長くは居たくないというお話を伺いながら、ご自身を生きていらっしゃるその姿に感銘を受けました。
いろいろお話しした中で知ったのですが、
彼女は僕の母と一緒で、先の戦争では満州にいらっしゃって、苦労をされたようです。
終戦となり引き上げてくる時は、8ヶ月の身重の身体であったにも関わらず、4日間、飲まず食わずであったこと。
そして、戦後の混乱と、それが理由ではないにしろ、その時代に育てられたお嬢様を、難病で先に見送られたこと。
ご主人様も含め、ご自身よりも年齢が若いお身内を、何人もお見送りされていること。
それでも、ご自身を生きるために、いろんな挑戦のためにきちんと調べ実践されたり、
その中で発生してくる時間が掛かる揉め事も解決まで諦めず対処してこられたお話などを伺うと、
人生を長く生きられている大先輩から受けるパワーは、とてつもないことを感じたわけです。
そんな会話の中で、やはり話題になるのが「食べる」ということです。
消化器系の疾患でしたから、病院食が味気ないもの仕方がないことではあるのですが、、、
やはり、僕としては、お会いいただいたお礼に約束しちゃいますよね、出張シェフ(笑)
ということで、先日、お伺いしてきたんです。
今回の出張シェフの際に、僕が考えていたことは、もしかしたら、お子様や病み上がりの方、ダイエット中や、元気のない方にも応用が利くかもので、ちょとまとめてみますね。
ポイントは4つありました。
1)味付けは軽くても、旨味が強ければ大丈夫
2)素材を柔らかくするための加熱ということ
3)見た目で美味しいを感じていただく
4)制限されている食材や、好き嫌いを優先する
ということです。
身体が弱っている時に、刺激物というのは、僕は避けたほうがいいと思うんです。
スタミナ料理って、僕は苦手なんです。
消化器に負担を掛け、味覚を鈍感にさせるってのは、どこかに過信に感じるからかも知れません。
特に、感覚を麻痺させるってのは、もったいない気がするんです、、、
生きている今を、感じることを鈍感にするわけだから、だから気になるのかもしれませんね。
さて、料理の際に、もっとも、強く人が認識できる味覚は、辛味です。
そう、調味料でいうと「塩」です。
この辛味によって、食材の甘味などを感じることができるので、塩を決めると言いますが、この塩梅で美味しい、美味しくないが決まると行っても過言ではありません。
でもね、この塩が強すぎると、人の味覚って麻痺しちゃうんだよね。
そう「口が疲れる」という現象が起きます。
それを補うのが「旨味」という味覚です。
UMAMIと、普通に世界で通用する、日本人が昔から認識してきた味覚です。
そう、出汁のことです。
今回は、この出汁を事前に作って、出張シェフに伺いました。
その出汁というのが、昆布出汁(グルタミン酸)、鰹出汁(イノシン酸)、干し椎茸出汁(グアニル酸)というアミノ酸を3つ、ブレンドしたものです。
これ、塩をほんのちょっと振っただけで、お吸い物になるレベルの、旨味のスープです。
これで、煮たり、炊いたり、茹でたり、和えたり、何をしても大丈夫な味のベースとなります。
試してみてね!
成分が違うものを合わせるのを「合わせ出汁」っていうけど、旨味という味覚は、足し算じゃなくて、掛け算なんですよ。
だから、少しの量でも旨味をめっちゃ感じることができるのね。
そうそう、経営における「ヒト」と一緒!(笑)
さて、それを使って、素材を生かしたかったのが「旬」という概念と、「色合い」という見た目です。
最初の一品の豆腐の白和え、お豆腐が白ければ、それに何を合わせるのかです。
これはデザインのセンスの問題です(笑)
料理は見た目です。
今回は、旬の豆を使いたかったので、スナップエンドウ!
それと、色味のいい人参、
そして出汁をとった干し椎茸で、白和えをと思いましたが、、、
椎茸が、病院からの指導でNG、、、
人参は、消化を考えて、出汁で煮て、柔らかくしました。
スナップエンドウも、以外と筋が多いものなので、茹でて、豆と殻を分けて、殻は刻んで、人参に合わせて軽く煮ました。
お豆腐は、本来は一晩ぐらい重しをかけて水抜きをするのですが、時間がないので、絹ごし豆腐をキッチンペーパーで巻いて水気を抜いて、その分、出汁で伸ばそうを思いました。
そして出来上がったのがこちら!
最初の一口で、喜んでいただけました。ちょうどいい食感だと。
そう、流動食でもなく、噛み応えがある食感、これも食べることの楽しさの一つですよね。
次は、鯛の煮付け。
煮魚って、めっちゃ簡単なファストフードって知っていましたか?
今回は、鯛の切り身を買ってきて、その骨をチェックして取り除き、一口大で煮るだけなんですけど。
多分、調理時間は5分ぐらいです!
作り方はね、
小鍋に出汁を、切り身の鯛がかぶるかかぶらないかぐらい入れて、そこに、醤油大さじ1、みりん大さじ1と、生姜スライスをちょっと入れて、まずは沸騰させます。
この沸騰が大事ね!
沸騰してグツグツいってる所に、切り身を、皮目を上にして入れてください。
で、中火のまま、グツグツしている煮汁を、スプーンで回し掛けてください。
で、煮汁が少なくなったら出来上がりです。
これだと、煮魚がふっくら仕上がっています。
本当にあっという間ですよ!
でね、この鯛の切り身をいただいてもらった時に、
「電子レンジにご飯があるから、チンして」って言われました(笑)
そこまで、最近は食欲がなかったそうなんだけど、食べたいって!嬉しいね〜
まあ、後で聞いたら、もし、油を使ったり食べれない料理だったら、ご飯としらすおろしを準備してあったから、それでいいかなって(笑)
そりゃそうだ、男子の、しかも金融機関の僕が作るんだから、何を作るのかって、心配だよね(笑)
でも、召し上がっている姿を見ていると、無理をされている感じはなかったから、嬉しかったな〜
で、最後に作ったのが、たらこ豆腐です。
気づきましたよね、食材、使い回しです(笑)
たらこ豆腐もたっぷりの出汁に、切ったお豆腐を入れて、弱火でゆらゆら煮ていくと、絹ごし豆腐も、たんぱく質だから、周りが固まって、中がふわふわで温まった状態になります。
そこに、皮を外したたらこを入れて、水溶き片栗粉で整えるだけ。
たらこに塩気があるから、味付けは、みりんや、砂糖、醤油とかはほんのちょっとでいいと思います。
冷めても美味しいし、冷やしても美味しい!見た目もピンクで、グリーンの豆が食欲をそそります。
これも、喜んでい頂いたなー
全部召し上がっていただいて、喜んでいただいて、お礼の言葉と主にいただいたのは、
「今まで、いろんなことがあったでしょう、でも、大丈夫、いつか終わるのだから」
ああ、これ、僕の師匠がおっしゃってた言葉と一緒です。
生きているってことは、それだけでいいのです、
そしてどう生きていてもいいのです。
後で拝見した、彼女が書かれた短歌集、その中に、お嬢様を見送った時の短歌などがありました、
他にも、いろんな心情を表現された言葉がありました、
もうね、胸いっぱい、、、
それでも彼女はおっしゃいます。
自由に生きるために、一人暮らしができる環境を作ってきたけど、もしかしから、施設のようなところの方が、自分自身の自由を楽しめるのかもしれないと。
施設ではない方が、自由かと思ったら、毎日、色んな人が訪ねてくる環境になってしまって、想像したのとは違っていた、だったら、さらなる選択肢を探してもいいんじゃないかと。
自分らしく生きること、それに変わる大切なことはないんだと。
ああ、本当にそうなんだな。
いくつになったら諦めるわけでもなく、なくしたから諦めるでもなく、自分らしく生きる。
それはそれは、強い意志を感じさせられる言葉でした。
「それにしても、料理は、お上手ね!ヘルパーさんに作ってもらうのとは、買ってくる場所は一緒でも、全然違うのね」
と、お声を掛けていただきました。
そうなんです、結局、出張シェフに行って、大きな愛を頂いたのは、僕の方なのです。
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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