日銀の「金融政策決定会合」を受けて思った諸々のこと。

ざっきーです、こんにちは。BABYMETAL LIVEの興奮が冷めやらぬまま、21日は日本の中央銀行、日銀の金融政策決定会合と、そのままFRBのFOMCと続き、日銀はどちらかというとテーパリング、FRBは利上げ見送りと…

昨日は秋分の日、休日とはいえ市場関係者の皆さんは、お休みになりませんでしたね、お疲れ様です。

 

最近は、あれやこれや立て込んでいますが、今やれることを考えると、何とか時間を作りたくなります。

夜、時間を作っての、酒席ではありますが愚痴聞きや(笑)、友達の誕生日のお祝いとか、やればできるもんだなと。

休み前の夜のせいもあり、最後の方は意識がなく、領収書で、どこに行ったのかを確認していることは、内緒ですけどね♪

 

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休日、いろんなメールや、通知に目を通しながら、ある一点に思考が収斂していきました。

特に、師匠の板倉雄一郎さんのFacebookのエントリーで「相関と因果は別物」という指摘を読みながら、触発されたので書いてみたいと思います。

 

現在の政権による経済政策では、一つの方向性があります。

 

それは「株価が上がるのは良いことだ」という政策の方向性です。

 

まあ、先進国で、政治のリーダーが、株価という市場で形成される事柄に対して影響を行使しても、それに対しての問題点も指摘をしないマスコミの皆さんや、それに対して声もあげない国民が参加する東京の株式市場というものが、世界的に呆れられている、ということを、まずは認識していることが大事です。

 

オバマ大統領が、株価に言及したら、訴訟で数億ドル請求されます。

 

残念だけど、ここから思考を始める必要があります。

 

ごめんね、でも、悲しいけど、これが現実なんよ。

日本人のファイナンスリテラシーは、とても、とても低いです。

 

それを利用して、僕も含めて金融機関は、情報の非対称性で簡単に商品を販売できます。

銀行融資だって全く一緒、理論理屈がわかれば、なんてことはありません。

「耳寄りな話なんですが…」などと囁かれているとしたら、それはカモにされている証拠、注意してね!

 

でもね、

 

現実の世界では、正しいファイナンスリテラシーを、きちんと伝えるよりも、関係性とか、人柄とか、よいしょとかが、金融機関担当者としてのマーケティング的には、好まれていますよね。

 

そりゃあ、正しいことが全てじゃないのぐらい、僕だってわかりますが、それ以上にあからさまに、騙されるお客様を見ていると、心が痛くなります。

最近、誰彼ともなく、僕が仕事をしなくなったのは、これが根本理由かもしれません。

正しいことをして、嫌われるぐらいなら、好きな人だけに嫌われたいもんね(笑)

好きな人ならいいからさ、どれだけ嫌われてもね。

 

そ、ビジネスと恋愛は、一緒だもの。

 

最近思うのは、真っ向から対立する意見があるかもしれないけど、僕は、僕のスタンスで、真っ当だと思っていることを伝えるだけだなぁって。

だから、誰のことをとやかく言うつもりはないし、だから、どうにかして欲しいわけでもないんよ。

僕が大好きだと思っている経営者の皆さんに、ストレートに「本当のこと」が伝わればいいな!ってだけ思っています。

 

じゃあ、始めるね。

 

話を戻しますが「株価が上がるこことはいいことだ」それはそうかもしれませんが、これは、視点を変えて言い換えれば、こうなります。

「株価に関しては、政府を中心とした国家の介入(日銀、GPIFなど)があって、下支えされているから、安心して買える」ということですよね!

 

わーい、じゃあ、まだまだ日本株式上がるから、買ったほうがいいよね!

って思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。

 

それ違うからさ!

 

そもそも、株価が国家の介入によって、実体経済よりも高く買い支えられているとしたら、まずは、株式を公開している企業から見た場合は、エクイティによる資本調達コストが実体経済のレベル以上に高くなっている、ということですからコスト高なんだ、ということはご理解いただけますよね。

 

さらに、株式を購入している投資家から見た場合も、実体経済以上に株価が割高になっちゃっているわけですから、投資家の収益は、通常よりも低くなっているということですよね。

 

そう、エクイティによる資本調達を行う企業から見ても、余分なコストがかかるし、そのエクイティを購入する投資家も利益が抑えられちゃってるんだから、どちらも、そんな「株式市場」に参加したくない、ってなりませんかね。

 

そう、これは中長期的に考えれば、そんな環境である日本の株式市場に参加する人が減るってことですよね。

 

ちょっと視点を変えてみましょう。

 

「市場」ってのは、何で必要なのかというと、供給者と、需要者が出会って、モノやサービスの「流動性」を生む出していること、これに尽きるわけです。

 

そう、供給が多い場合は、その価値の尺度である価格が下がりますし、需要が多い場合は、価値の尺度である価格が上がりますから、これを専門用語で「価値発見機能」といいます。

 

市場があることでフェアバリューが形成されるということなのですが、これをもっとルックスルーすると、誰もが市場を通すことで、その自分の持っているあるモノやサービスといったものを、価格へ変換できる。

 

つまり、手元にある価値を、市場で交換できる、これを「流動性」といいます。

 

株式なんてのは分かりやすい話で、よく紙切れになる!とか言いますが、簡単にはなりません。

だって、ある程度は市場で売れるからです。それがどれだけ価格が安くても、交換できる可能性があるから、人は、投資するし、長期保有が可能なんですよね。

 

でもね、もし、市場の参加者が、上記の理由で減少したとすると、市場で取引される量そのものが減少することになりますから、この市場というものの最大の意味であるところの「流動性」は低下することになります。

そうなれば、本来、市場に期待されている「価格発見機能」は、さらに損なわれ、ますます、信用を失っていきます。

 

実際、東証の1日の取引高って、ここ数年は2兆円で推移してて、株価が大きく上がっても、下がっても、あまり変わらないんですよ。

これってね、ある特定の買主が買い支えているってことで、売りが出ると、公的な買い手が買う、それを無理返しているだけなんよ。

これ、市場参加者なら、ほとんど知っていることなんだけど、皆さんご存知でした?

つまり、ものすごく雑に言えば、今から株式市場に入ってきて買うぞー!って人はカモってことね(笑)

もっと、日経平均は上がりますとか、東京オリンピックまでは、ってのは、お前はリテラシーないカモって言っていることの同義語ってこと。

 

だから、マスコミも話さないんだよ。

広告主の中でも、銀行、証券ってロイヤルクライアントだからね。

妨害しないように、しているのかも、って最近思います。

 

そう、理解していないんじゃなくて、知らせないようにしている、って思った方がいいと思うな。

 

ちょっと脱線したけどね。

 

もう一度言うね、市場参加者の減少した市場では、どうしても「流動性」が低下しちゃうのね。

そうすると、市場に期待される「価格発見機能」が、さらに損なわれることになっちゃうわけでさ。

そうなると仮定すると、投資家としての立場で見たら、そんな市場にご自身の資産を預けますか?

そうなると仮定すると、資金調達先として、日本の株式市場でエクイティファイナンスしますか?

 

そして、この程度の話ができない金融機関の担当者は、その方のリテラシーがそもそもないのか、皆さんをカモだと考えているのか、そのどちらかでしかない、ということです。

 

本当はね、株式市場ってのは、経済が拡大していく中で、その成長を先取りしがなら、市場としてリスクマネーを受け入れ、流動性を提供しているんです。

それは、戦後の焼け野原からの出発からに始まる、日本経済の成長とともに、ある意味、二人三脚で、長い年月をかけて、投資家も含む市場関係者たちの信用で成り立ってきた「市場」なんですよね。

1日あたり100兆円ぐらいの取引高のある、プロのみが参加する債券市場と違って、一般の方からプロまでが機会の平等のもとに参加する株式市場を作り出してきたのです。

 

で、それを、破壊してるんですよね。

 

僕は、ちょっと、今回の日銀の金融政策決定会合のブリーフィングを見てて、ちょっとカチンときたんよね。

これ、日本経済の未来そのものへの影響も、ルックスルーして考えるとあるんじゃないのかなって。

もうね、僕の大好きな方には、ちゃんとファイナンス的に「正しいこと」を伝えていくことにするよ。

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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