リスクとは不確実性、将来に対する「ブレ幅」と捉えていただくと、分かりやすいかもしれません。
ということは、将来に思いを巡らせるのであれば、現在の状況というものを確認しておくことは、大事じゃないのかな?って思うんですね。
僕は保険屋になってから、ちょっとだけ体感して理解できたのは「人はいつ死ぬのかわからないので、確実な未来というものはない」ということと「それを心配するぐらいなら、今をもっと味わいつくしたほうがいい」という想いです。
そして、リスクを不安として捉えて怖がるのではなく、リスクは不確実性なのだから、未来へのブレ幅の違いに過ぎないし、そのブレ幅こそが、可能性の宝庫なのかもしれないと。
仕事柄、ライフプランニングを、行ってはいますが、あくまでも現状認識の分かりやすい方法であって、未来を担保するものでもないし、もっと言えば、そんな予測に縛られない方がいいぐらい、世界は「ブレ幅」を増していると思います。
目次
- めずらしく短いまえがき
- 現状認識って大事だよね
- ディカーボニゼーション(脱炭素)
- ハンドメイド
- ティープラーニング
現状認識って大事だよね
まあ、このブログも経営者向けブログだから、一応、経済の現状について書いてみるね。
まずは、足元の日本経済についてなんだけどさ、GDPの推移とか、日銀短観とか、、景況指数(DI)とか、どれを見ても経済は回復しているどころか、引き続き低位でもぞもぞしている感じ、、、
オリンピックとかのイベントがあってもこの状態なので、いつ、腰折れしてもおかしくないし、業界によっては折れている状態ですよね。
個人的に、ずっとウオッチしていて思うのは、個人消費支出の不調がやっぱ致命的でさ。個人消費ってのは、GDPの60%を占めるわけで、この停滞が景気の足を引っ張っていることは明らかですよね。
それに、思い出して欲しいんだけど、消費増税を延期を決定したにも関わらず、消費回復のめどは全く見えないですよね。
これ、報道が相当に筋悪なんじゃないのかなって、また、デフレの安売りばっかり煽ってるしね。
実際のデータで見ていくと、現状認識としては、実質賃金の下落傾向が続くために、消費者自身が将来不安から、消費を絞り、家計防衛に走っている姿が、鮮明に見受けられますよね。
僕、だからこそ、使ってるけど(笑)お金って、誰かのために使うと入ってくるから、自分の欲望のためじゃなくてね。
で、政策としての金融緩和は、既に限界だし、財政投資の増大による、多少の景気刺激策があったとしても、それは限定されるでしょう。
だって、建設土木業界なんて、人手不足だしね。実質賃金の上昇にはつながっていないからね。
本来であれば、GDPに占める割合が多い消費を刺激することによって、経済成長をダイナミックにするしかないんだけど、そのための政策は、現状では限られちゃってるんだよね。
しかも、社会保障関連の支出はますます増大し、家計を圧迫してきているからさ、消費が上向くきっかけなんてものは、なかなかつかめないんだよね。
まあ、経済政策って、見直さなきゃいかんのだけど、打てる手が少なくて、政府がなんかするんじゃなくて、ひとりひとりが、自分で考えて、群れずに行動していかないと、どんどん格差は広がっちゃうような気がしてます。
かつて、米国んケネディ大統領が言ったように、何をしてもらうのかではなく、何ができるのか、という発想を積極的にしていかないと、つまらん一回しかない人生になりかねないので、皆さま、大切な方々に、消費しましょうね!
でもさ、日本経済の現状はそうなんだけど、太平洋を挟んだお隣の米国の経済は、ちょと違うんだよね。
マジで、日本経済に比較すると、順調さばかりが目立つのが米国経済なんだ。
雇用統計も堅調だし、現状で問題があるとするならば、混迷する大統領選挙でしょうね(笑)
だってさ、若年労働人口(25歳から54歳という「プライム」と言われる労働者層のことね)も、なんと!自然増加が見込まれてて、2020年には、人口分布年齢における上位10位までが、ほぼすべて40歳以下の年齢層が占めちゃうんだからさ!
これって、爆発的な消費の増大につながることは間違いないんだよね。
プライムの労働者人口が増えると、間違いなく消費が増えるんだけど、例えば住宅の取得もなされるだろうし、米国の場合は移動手段としての自動車の購入、そして当たり前だけど教育費、それに家族が増えれば医療費などへの影響は、凄まじいものがあるんですよね。
これが、人口増加として、言い換えれば、根拠ある数字として、予測じゃなくて、確実な未来として見込まれるのは、先進国の中では米国だけです。
ということは、米国の「ひとり勝ち」の時代が始まる、ということなんです。政治が混乱しようと、これはファクトです。
まあ、ファイナンス的も、僕の考えでしかないけれど、目先の利上げは、このままいくと思いますが、利上げしたとしても、従来のQEで買い上げた資産売却などは、まだまだ相当先の話なんですから、市場への影響は少ないと思うんです。
実際、前回の利上げによって、既に半年以上が経ったわけですが、米国では住宅ローン金利の上昇などという、直接的な影響も出ていません。
もしかすると9月に利上げですが、後から振り返れば、影響はごくわずか、ということになるんじゃないかなって思います。
さて、こんな感じの現状認識の中で、ちょっとだけ、先の未来でのブレ幅の原因となり得るキーワードを、ご紹介しますね。
ディカーボニゼーション(脱炭素)
世界の潮流、というものがあります。意外と日本は、これをキャッチするのが遅いですよね、気づくとわあわあ騒いでいる感じです。
その一つが、エネルギー資源の認識です。
実は、OECDの先進国では、化石燃料を燃焼させる、ということに対して、根底では疑念を持っていて、自然エネルギーに舵を切っていきましょうね、というコンセンサスが出来上がりつつあります。
あのね、新たな産業ってのは、ビジネスだから、先に旗を振った方がいいのですよ。日本は改善が得意んだけど、こうやってマーケットそのものを作り出していくわけですね。
特に、米国のカリフォルニア州で導入される、新しい自動車エネルギー規制なんてのは、いわゆるHV(トヨタを狙っているのですよ、これ)さえも排除していまして、今後は、さらなる脱炭素、というトレンドが明確になってくるはずです。
ね、知ってました?だから、トヨタはその先を目指すわけですよね。でも、水素が潮流になるかどうかは、不透明だけどね。
で、そんな状況の先進国のトレンドの中で、唯一、石炭火力発電所の増設計画を持っているのが日本です。
やばいよね、これ。
まあ、ほどなく「環境破壊国家」ぐらいのことを言われるでしょうし、自然エネルギーについては、政策としての取り組みが甘くて、特定の事業者だけが富み、かつ、大して拡大していないのが現状ですよね。
なんか、こうゆうことに財政出動すればいいのに、相変わらずの箱物への投資ってのは、数年後には世界との差が拡大してるんじゃないのかなって。
日本て、極端なんだよね、ヒステリーみたいに、反原発って言って、それに流されて石炭燃やしてるんだからさ。
政府だけじゃなくって、どう影響するのかルックスルーして考えないと、ってなことを思います。
さて、皆さんのお仕事の中で、電力を一切使わないって仕事は、めったにないと思うんですよね。このキーワード、備えてほしいな。
ハンドメイド
あとは、皆さまも、これについては意識されていると思いますが、以前の大量生産モデルは、明らかにすでに終焉を迎えたようですよね。
いわば、少量多品種をベースにした「ハンドメイド」による高付加価値商品に、消費者のニーズは集まりつつあります。
だからって、何でもて作りであれば良い訳でもないし、高品質で、かつ、物語性や、関係性がないとまずい状態です、これは結構ハードルが高いっすよ。
いわば、これまでのビジネスモデルに拘泥する企業は、必ず潰れる。ってぐらい言われるようになってきていて、急激な変化の過程にあるわけです。
ある日突然、市場が消滅したり、ある時から発注がされなくなったりと、BtoBのビジネスでも、急激な変化が起きかねないのが、最近の流れですよね。
ちょっと、前には、リチウムイオン電池の事業って、高付加価値で、高収益だったのに、現在は事業売却の対象です。
これに関わるのは、かなりの数の中小企業だったわけで、発注先や取引先の動向って、今後BtoBでは要注意かと思います。
実際のところ、大きな流れで言えば、マクドナルドや、ワタミとかで、食べたり、飲みたいと思う消費者は少数派になってきています。
まあ、その環境の中で競争をするとすれば、あとは低価格競争しかない訳で、そういう領域でビジネスってのに関しては、残念ながら今後、潮流からはずれる、ということになります。
わざわざ選んで挑戦するというのは、どうなんだろうと思う訳です、僕の考えですけどね。
だってさ、スーパーマーケットや、家電量販店といった業態って、現時点で考えてみると、アマゾンの前には全く無力になりつつありますよね。
楽天だって、やばいっす、この現実は、認識した方がいいかもです。
だから、何らかの付加価値があるか、特別な顧客層なのかなど、独自の価値が必要になってくるのかもしれません。
つまり、インターネット検索が、グーグルに集約されてきているみたいなイメージを持った方がいいのです。
その意味では、あらゆる業種で、差異化や高付加価値化、つまり「ブティック化」の進行は必至だということです。
最近よく言われているのが、1970年代の高度成長期に、大手に潰されていった、ブティック(個人商店ということ)が時代の最先端と言われているのを、ご存知かと思います。
本当に「いかに高付加価値をつけられるか」という視点を持たない限り、生き残りは厳しいかもしれません。
でもこれは、都会だから有利という話ではないので、その意味では、少量多品種、高付加価値商品の生産が得意であれば、地方経済であってもチャンスは多いにある、ということでもあります。
関係性や、つながりは確かに大事なのですけど、それ以前に、差異性や、高付加価値性など、普通にスペックレベルのでの優位性がないと、やっぱり通用しない時代なんだと思います。
これ、大事なんですよね。
従来の家庭内手工業ではなく、最先端の技術やITを利用しての「ハンドメイド」の視点。これはどんな業種も、必要なんじゃないですかね。
僕自身も、「ハンドメイド」の誰もやっていないコンサルを目指していますから♪
ディープラーニング
IT技術の中でも、AIの急激な進歩は、これまでの想像をはるかに超えています。
特に、そのAI技術の中でも、AIそのものが学習をして進化していく「ディープラーニング」という技術が、そのAIの進化を急加速させています。
特には、米国で見られるような、フィンテックと呼ばれる技術の成長は、銀行というビジネスモデルにおける「支店経営」などという概念を破壊すると言われています。
そう、銀行マンは早晩、いらなくなる、とさえ言われているのです。
これね、銀行マンなんて、そう言う目にあえばいいさ!なんて言っている場合ではなくて、極めて近い未来に、、、
5年どろこではなく、2〜3年の間に、多くの銀行マンが雇用を失う可能性がある、ということなんですね。
実際のところ、僕の仕事だって、一般的な生命保険募集だけだったら、やばいことは明白ですし、多くの金融関係の融資担当の営業職員などというのは、AIには全く歯が立たず、その職を失う事は、ほぼほぼ間違いがないと思うのです。
まあ、そうゆう具体的な話が、実際の現場で、先頭を走っている人間からは出てきているんですよね。
金融機関以外だって、マクドナルドなどは、無人だけど、AIが対応するレジを始めていますから、外食産業という人材を受け入れる雇用の受け皿となってきた業界で、雇用が生じなくなってくれば、自ずと、消費は下がっていくことが予想できます。
また、世帯全体の所得を、少しでも上げるためのアルバイトという人材の補填に関しては必要がなくなる可能性があるとしたら、数年のうちに、これから雇用が失われる未来が待っている、ということが想像できるかと思うんです。
つまり、
次の世代で起きる!と言われていたことの大部分が、実は、この「ディープラーニング」という技術の進化で、僕らの世代でも、十分に社会変化を起こり得るんだってことを、意識しておいたほうがいいかと。
もうね、スピード感が違うんですよね。
これ、いつでも引退できる、いつでも事業承継できる、いつでも最新のことがわかる世代にバトンタッチできる、それぐらいのイメージじゃないのかなって。
つまり、もし、経営者の皆さんの経営ビジョンが「現状維持」だったとしても、周囲の環境の変化は、予想以上に早く、走りながら考えるぐらいのスピード感を要求されそうです。
僕自身は、幅広い年齢層の経営者の方がお客様ですから、実際のお仕事はITや、金融機関に関係がなくても、ある年齢層から下は、最新の情報のキャッチの仕方と、それに適応するための変化への投資の意思決定が、全然違う人種と思うしかないような、世代の断絶を感じます。
本当、この急激な変化については、僕の大好きなお客様には、伝えていきたんですよね。
僕自身は、皆さん気づいていらっしゃると思いますが、良くも悪くも変化の最中ですからね。間違うかもしれませんが、トライアンドエラーの姿勢だけは、貫いていきたいと思います!
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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