昨日は、お客様のお手伝いで、資産形成に関するセミナーの中で、ちょっとだけ講師をさせて頂く機会がありました。
短時間ではありましたが、ご参加頂いた方というのは、平日に仕事終わりの時間を割いてまで、何かをインプットされようという方々なので、僕の意識としては、より具体的な話が提供できればと思い、考えました。
それが、テーマの「富裕層は意識している、4つの所得」です。
僕の仕事は、経営者専門の保険屋です。大好きな経営者にお節介を焼いて、その事業価値の向上に貢献して、経営者の皆さんを取り巻く、リスク(不確実性)からお守りするのが仕事です。
物事には順序(プロセス)というものがありますよね。これを間違えると物事は上手く進みません。一番いいのは、ゴールから逆算して考えることだと、僕は、ある師匠から教わりました。
経営者の皆さんの一番の恐怖は、事業の継続ができなくなることです。それを恐怖に思わないようになるためには、ご自身が豊かに、そう、富裕層になる必要があります。
だって、事業を継続させられるのは「資金調達」にかかっているからですよね。ご自身の事業で積み上げられた自己資本や、個人資産があれば、その恐怖からは逃れることができますから。
だから、そこまで自己資本を高められ、個人資産を作り上げた方は、何をどうしてきたのかがわかると、それを目指せばいいわけで、それが「ゴールから物事を考える」という方法じゃないかと思います。
そして、偶然にも、僕の仕事で出会う方中には「富裕層」と言われる方々がいらっしゃいまして、その方々に共通しているのが「4つの所得」の視点です。
4つの所得ってなあに?
以下の4つです。
1)給与所得
2)事業所得
3)不動産所得
4)配当所得
2)の事業所得と、3)の不動産所得は税制上は同義語ですが、わかりやすいよう、イメージしやすいように、このように分類して話を進めますね。
実は、僕が仕事を通して面識を頂いた、比較的安定した資産形成をされた富裕層の方々は、この4つの所得を確実に持ち、効果的に活用されています。
さらに、効果的ってのは、3つのポイントを押さえ、組み合わせ、相互補完をするように意識的にされています。それは、メリット、リスク、 そして、タックスエフェクト(税効果)です。では、一つ一つ見ていきますね。
1)給与所得
メリット: 経営者から、労働債権として優先して支払ってもらえる
リスク: 能力と共に提供しているのは時間、時間の拘束がある
タックスエフェクト: 給与所得控除のみ
もっとも安定的に、所得を得ることの出る方法かもしれません。自分自身の能力と、時間を差し出して、対価としての給与を得る訳ですから。
でも、高額の給与を得るためには、他者との差別性や、特殊技能、あるいは一般的に好まれない事など、何か、他人とは違った差異性を認められなければ、なかなか高額になることはありません。
そりゃそうですよね、リスク(不確実性)は経営者が負担しているんですから。その分、利益配分が割り引かれる、つまり給与というのは、経営者によって決められるという事を、今の僕らの資本主義社会は肯定していますから、それは仕方のない事です。
そして、税制上、給与所得は総収入から給与所得控除という「みなし経費」を差し引いての課税となりますので、経費を認められるものが少ないという側面があります。
2)事業所得
メリット: 兼業可能で、工夫次第で売上の増加も可能
リスク: 事業収入は確定ではない、経費率が重要
タックスエフェクト: 事業収入に関わる、必要経費を計上できる
税制上の個人での不動産所得も、事業所得ですが、この場合の事業所得は、ダブルワークの週末企業や、アルバイト、歩合での報酬や、依頼された講師の講演料や、書籍やブログの執筆料としてお考えいただければと思います。
まあ、「個人自営業」ってことです。最近は兼業禁止もゆる気なっている企業もありますので、給与所得だけでなく、この事業所得も増やして、資産形成をって方もいらしゃいますし、実際、上場された経営者の方など、企業される資金を、給与所得と、事業所得で積み上げて、資本金にしたケースもよく存じ上げます。
また、ご自身の事業が大変な時に、ご自身の会社が終わった後に、黙ってアルバイトをされ、なんとか資金繰りをしないだという経営者の方も存じ上げています。どちらも、世間のせいにすることもなく、金融機関のせいにすることもなく、粛々とご自身の時間と、体力を使われている姿を見て、本当に胸が熱くなりましたし、僕自身は背中で学ばせていただいた思い出がございます。
そこまでではなくとも、講演料や、執筆料というのは、そもそも発信していないと依頼もされませんし、数をこなさねば、コンテンツとしてブラッシュアップされません。
やはり、ご自身を鍛え、磨くという具体的な行動をされる中で、恥ずかしさなど乗り越えて、トレーニングされた方に、ついてくる所得なのかもしれません。
そうだ、僕は、すべての報酬が「事業所得」だった(笑)
ただし、ダブルワークとかであれば、それは自分の時間や、家族の時間、休息の時間を提供することになるので、何かを差し出して手に入れる所得なんだという点が、最もポイントとなります。つまり、利益率が高くなければ、どうなんだろ?ってことですよね。
ただし、事業にかかった経費を、総収入から除いたものに、課税がされますから、その点のタックスエフェクト(税効果)を期待することができる訳です。給与所得とは、損益通算もできますしね!
3)不動産所得
メリット: 融資というレバレッジを掛けることが、唯一可能
リスク: 利益や管理コストなどの不確実性
タックスエフェクト: 不動産収入に関わる必要経費を計上できる不動産所得は、給与所得との合算が可能
なぜ、不動産所得を事業所得と分けたかというと、資金調達というレバレッジ(融資)が可能だからです。
しかも、これは、給与所得があったりすると、そこにはクレジット(信用)がありますので、単純に不動産物件の担保価値や利回りだけではなく、資金調達が可能なことを意味しております。
ひとつご注意ください!自宅とか、社宅とかの不動産取得の話じゃないっすよ。自分で住む不動産は、資産じゃないですから、それは住まなくならないと収益を生むませんので、資産とは言いません(笑)
なぜなら、富裕層の話に出てくるのは、個人資産のポートフォリオを、金融資産のままよりも、不動産資産に変えておいた方が、相続の際の資産圧縮になるから、という意味が最も優先順位の高い方法だからです。
しかも、富裕層の方々の場合、現預金があるにもかかわらず、現預金担保だけでなく、不動産という担保をも使い、融資を受けたほうが、資金調達がっできてレバレッジが聞かせられる上に、様々なタックスエフェクト(税効果)を得られる、という視点をお持ちだからです。
それと、不動産は、運営管理コストは掛かりますが、アウトソースすることできますし、何せ「不労所得」ですからね。
融資というレバレッジは、資産形成の時間を買うという意味ですし、不労所得というのも、時間を稼ぐという意味では同義語です。
株式や、投資信託を購入するのに融資はされませんが(信用取引はある意味融資ですが、ここでは、資産形成の話なので、外しますし、そもそも富裕層は、信用取引のポジションによってはダウンサイドの損失無限大を理解していますから、そんな話にはならんのです 笑)収益不動産の取得には、融資がされるという点を、見逃さないのです。
だから、自宅は賃貸で、経費として捉え、いつでも変動費化できるようにしていて、それとは別に、収益不動産取得で、ご自身のクレジット(信用)を使って融資というレベレッジをかけている経営者の方などがいらっしゃるのですが、数年後には大きな個人資産を形成されていらっしゃいます。
こうゆう実例をまざまざと見ていると、居住不動産と、収益不動産は別物なんだ、ということを、認識することになりますね。
4)配当所得
メリット: 元本の変動があっても、配当利回りが継続的なら所得は安定
(キャピタルゲインではなく、インカムゲイン重視)
リスク: 元本取得のためには、金融資産の蓄積と、 それを形成する時間が必要
タックスエフェクト: 配当に関しては、約20%の源泉分離課税で完了
アメリカの株式でジョンソン&ジョンソンという株式があります。ご存知の通り、生活消費財のメーカーです。配当利回りがもうずーと20年ばかり5%以上、約10年経つと株価も倍になって、2:1の株式分割して1株100ドルを目指すという過去のトラックレコードのある会社です。
リーマンショックの時も1株60ドルぐらいにしかならず、まあ、できるだけ安く買いたいけど、ある意味、いくらでその株式を取得しても、配当利回りで考えれば、間違いなく資産形成に有効です。
それと、ここが大事なんだけど、経営者の場合、ご自身の役員報酬を極大化させていくと、超過累進課税によって税率が最高55%まで上がることをご存知ですよね。
本来は、関わっている事業の利益が出た場合、経営者=株主である場合も多いので、配当して利益移転をしてもいい訳です。まあ、実際には、その事業の「利回り」が高く、再投資することでさらなる利回りを生むのであれば、必要以上の利益の外出しをする必要はありませんよね。
まあ、日本の場合、配当する前に、法人税が、配当後には、配当所得としての源泉分離課税約20%がかかり、二重課税なので、なかなかできませんが、本質的には、Appleや、FacebookのCEOの役員報酬は1ドルで、すげえ、報酬もらわなくてもいいんだ!じゃなくて、役員報酬でビリオン級の報酬をもらうと、課税が大きいのですが、株主でもあるので、配当で貰えば、アメリカでも一律課税なので、タックスエフェクト(税効果)が大きいからなんですよ。
この視点が大事なんです!
ものすごく、ロジックに従った結果、富裕層は、給与所得や、事業所得、不動産所得で、金融資産を経営しながら、最後は、安定した配当利回りを持った金融資産(それが、優良収益不動産の場合も、優良企業の株式の場合も、優良上場企業株式や、債権の場合も、いろいろあります)の取得を目指し、安定的な配当利回りから、最低限の税を控除されたキャッシュフローを手に入るるわけです。
これを、給与所得だけ、とか、事業所得だけで形成する、ってのは、かなり無理がありますが、相続などで、資産を引き継ぐ予定のない場合は、自分でなんとかしなければなりません。
それが「融資」というレバレッジを、何に使うのか?って視点な訳です。
収益不動産がいいですよ!とか言っている訳ではなく、経営者の皆さんの会社そのものが事業だし「その利回りはいくらなんでしょうか?まずはご確認ください」って話です。役員報酬というのは、利回りを下げる要因です(笑)だって、そうですよね、経費なんだから。
だからこそ、4つの所得のバランスが重要なんだよって。そう、僕はお客様から、本当のエッセンスを教えてもらっているんですね。本当に資産形成をされた方々のゴールから、現在の紐解いていくと、この4つの所得の理解は、結構、重要だなって思います。
やぱり、何を言っても、自分自身が豊かでないと、何もできないし、何かをしてあげることもできません。社会システムの根底が、資本主義である以上、マーケティングや消費行動は変わっても、そこからは逃れられません。できれば、こんな視点があることを知っていただき、できる範囲で、ご自身で行動して頂く、基礎知識の一助になればと思います。
僕の大好きな皆さんが、本当に、勘違いしたり、騙されたりしませんよーに。
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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