消費税の引き上げが延期されたけど、それでいいのかな?

先週、安倍総理大臣の指示で、来年の春に10%に引き上げられる予定だった消費税の引き上げが見送られました。

足元の日本経済は、失業率の回復や、有効求人倍率の増加、新卒の採用数の増加など、明るい予兆もあるものの、DIも低いし、まあ景気も、東京オリンピックまで持つとも思えない現状では「消費税率の引き上げの延期」という手段は理解できます。

 

というか、金融業界は明らかに延期で織り込んでましたから、これ、延期にならなかったらやばかった…、まあ、政府与党の中には、財政緊縮派が多いから、結構、綱渡りだったと思うけど、まあ、支持率の高い総理大臣じゃないと、これ、できなかったかもね。

だから、頭の中では理解できますし、延期しなかった方が目先の経済には影響が大きすぎるのと、個人的には自分の中で考えていたシナリオ通りなので、ええのですけどね、、、

 

でもね、、、

 

本当に「それでええ」とは思ってはおりません。それを、ちょっと書いてみようかともいます。というのも、日曜日に、とある理由があって、晩御飯作り出張シェフに行ってまして、そこん家のお父さんと話をしていた時に、その家の子に質問されたんです。

「ねえ、ざっきーさん。消費税引き上げ延期って、どんな影響があんの?いいことと、悪いことが、それぞれあるんだよね?」って!さすがに、筑駒に通ってる子って、こんな事聞くんだ、凄えな(笑)

で、考えながら話してみたら、自分の頭も整理されたんで、これ、ブログに備忘録でまとめとこって思いました。だって、結論は、ある方向性を示しているからね。

 

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さて、そもそも、何で消費税を上げようかって話になったのかっていうと、社会保障費が年に111億円もかかちゃってて、社会保険料の特別会計だけじゃ、やりくりできなくて、一般予算から支出して補填しないと、払えないから、やばいって話で、民主党政権時代に、税と社会保障の一体改革と同時に、消費税率をアップして、財源とすることに合意して、進めてきた政策ですよね。

 

だからさ、税率あげなければ、財源どうすんだ?ってことだよね(笑)だったら、方法は簡単で、新たな財源を確保するか、給付を下げればいいんだよね!

本当は、政治がやることは「給付を下げましょうよ!」ってことで、信を問うことなんだ。だって、日本の社会保障も含めた福祉って、低負担、中支給だから、無理なんだもん。

 

僕の母親を見ててもわかるけど、高齢者になると、どこが調子悪い、どこがどうだ、時間があれば病院ですよ。それに掛かっている医療費を考えると、自分の親といっても複雑ではあります。

自己負担はほとんどかかってはいないけど、それは、社会保障制度全体で負担してるんだからね。息子から見ても、それどうなの?ってことはある訳ですよ。

 

それに、仕事柄、いろんな方と接するんだけど、ほとんど納税も、社会保険料も納めてなくても、疾病になったり、事故にあったりすると、何らかの社会保障制度を使って、治療や療養ができるし、生活保護制度もあるから、本当にシリアスな状況にはならないようになっていますよね。それは、それで素晴らしいことだとは思うんだけど、必ず、そこには財源の負担があるんだよね。

 

で、それが、足りなくなるのはわかっているのであれば、広く、薄く、給付を減らすしかないと思うんだけど、、、その議論はなぜかされない。そりゃそうだよね、日本の人口の年齢別構成を見たら、どの年齢層が多いのかわかりますよね。

政治に具体的に関わるためには、選挙で選ばれる必要があるけど、その年齢別分布の一番多いところの人たちに嫌われる政策を、打ち出せるのか、ってことですよね。

僕だって、その立場だったら言わないもん(笑)だから、低負担、中支給は今後も変わらず、財源をどうするのか、という形で推移していくんだと思うんだよね。

 

となると、財源は社会保険料を上げるか、税金の投入を増やすかしかないと思うんだけど、前者は現在の上昇中なので(笑)これは無理!、となると税金ってなるけど、消費税が使えないわけだから、他の直接税を中心とした税収ってなるけど、、、

おいおい、現在の日本政府の一般会計って、税収が約60兆円で、予算が約97兆円なんで、そもそも足らんがな!って話なんすよね。だから、足りない分は日本国政府の借金、つまり国債を発行するしかないねん!って話しなりますよね。

ここまで、大丈夫ですよね。ついてこれてますよね。

 

で、国債をさらに発行する訳だけど、これ、誰が引き受けるのかご存知ですか?そう、国債の買い手は、かつては、日本国民である私たちが銀行に預金をすることで、銀行がその預金の利子を支払うために買っていた訳なんですけど、今はちゃいますよね。

そう、今は発行される国債の70%を日銀が買います!では、日銀はどうやって購入資金を調達るのか?っていうと、日本銀行券、そう「円」を刷るんです(笑)

そう、刷るんですよ!

 

ねえねえ、お金っていうか、通貨ってのはさ、価値の交換手段で、尺度で、保管機能のことなんだけどさ、それを刷りまくったらどうなるのかわかるよね〜

株式でいえばさ、マザーズとかでよく見る光景だけど、仕手に巻き込まれたり、反社に飲み込まれた会社とかが、目たらやたら株券するけど、それって「希薄化」しているってことだよね。

 

そう、日銀が、日本銀行券を刷るっていう行為を、ルックスルーすればわかるけど、それは1円あたりの価値を下げるって行為んだよね、そう、インフレーションだよね。まあ、金融政策で物価をあげようってんだから、インフレを作り出そうってんだから、そりゃそうなんだけどさ、、、

でも、それって、中央銀行という仕組みが、この世に存在する意義であるところの「通貨の価値を守る」とは、真逆のことなんだってこと、わかってもらえるかな?

 

で、さらにさ、そんな感じで国債を買っていったとすると、国債ってのは、いつでも流動性があって、現金になるから、日々、売買されているわけだし、まあ、なんといってもその国の政府以上に、リスクの高い金融商品てのは存在しないわけで、だからリスクフリーレート(あらゆる金利の中で、計算の基礎となる基準金利という意味)な訳だけど、、、

その国債もどんどん発行してったら、それもやっぱ「希薄化」するよね。そしたらさ、国債の価格落ちちゃうよね?ということは国債の金利上がるよね、だから、こちらもで、インフレ起きるよね〜、っていうんだけどさ。

これ、日本「円」だけの世界の話だよね(笑)

 

あのね、日本の食料の自給率っていくら?

あのね、日本の電気の原料って何、どこから買っている?

あのね、日本に鉱物資源っていっぱいあったっけ?

 

まあ、インフレになると、日本円の価値も落ちるけど、借金をしていた場合の利子は減るから、いいんじゃね?って考え方もあってね、経済成長路線に異議を唱える、ピケティさんとか、セドラチェクさんとかは、財政赤字の先進国が財政問題を解決する方法は、インフレしかない、それによって、たとえ経済がどん底まで低下しても、その時に富の再分配を行って、格差を是正して、身の丈にあった生活にまで落とすべきだっていうんだけど、、、

それ、受け入れられますか?

 

ちなみに、円安になると輸出産業にはプラスと言いますが、日本のGDPの約60%は内需。しかも、日本は輸入しなければならない国なんだってことを忘れちゃいけないよね。

それ、物資だけじゃなくて、どんどん減っていく人口からすると、労働力そのものを海外に依存しないといけないんだからさ、通貨の価値が下がるってのは、本当に何が起こるのか、考えておいた方がいいと思うけどね。

 

まあ、僕のような、紐の切れた凧のような人生であれば、どう転んでもいいのでしょうが、家族や、会社や、地域や、取引先や、それに基づく人間関係など、様々な関連性が高く、影響が多いであろう経営者の皆さんは、そうはいきませんよね。

 

確かに、自民党政権に変わって、税収も上がったし、雇用も数字的には良くなりました。でも、経済成長までには、つながっていませんよね。それは、もう、難しいことなのかもしれないなら、成長を前提とする社会の仕組みを壊さないとダメだし、価値の交換手段、尺度、保管機能である「円」というものに、皆さんの資産をそのまま置いておいていいのかって話ですよ。

まあ、外貨でなくても、株式とか、収益不動産(自分で住んでいる家は資産じゃないから)とか、インフレに耐性があるものにしておかないと、本当、まずいんじゃないのかな?

 

まあ、一番いいのは、ご自身の事業への投資だと思うんですよね。それが、国債の利回り以上であれば、それが預金金利の利回り以上であれば、それが投資信託の利回り以上であれば、、、

そう、皆さんの事業の利回りは年平均利回り何%ですか?

皆さんはどこに、どんな形で、資金を置いておくのがいいのでしょうか?やはり、この現状の事業の利回りと、将来どうしたいのか、という「現状をきちんと把握して、問題を抽出して、将来ビジョンに従って判断、行動する」これしかないのです。

 

だからね、金融機関とか、その他もろもろに「今後の資産運用、どうしたらいいんですかね」って聞いて、○○がいいとか、今は皆さん○○にされているとか、○○がおすすめ、何って言われたら、それは本質がわかっていかもしれないってこと。

そもそもは、経営者でいらっしゃるんだから、経営に、つまり事業に突っ込むべきでしょう!それがまず行う資産運用ですよね!間違っても、生命保険契約じゃないから(笑)

それに、経営者の皆さんは会社と一体なので、やっぱり、ご自身の現預金は、事業における販管費半年分ぐらいのキャッシュを持っていないと怖いっすよね。だから、金融資産の「流動性」って視点が、とっても大事だと思うんですよ~

 

実際のところ、本当に事業や経営の事を理解している金融機関担当者は、「現状把握とお客様のビジョンの共有」ができないと、アドバイスできません、それがプロってもんなんですがね。

まあ、金融商品販売のプロは、何も考えずに、ガンガン営業するのでしょうが(笑)売りのプロと、顧客にとってのプロって違いますからね(笑)

「現状を把握し、顧客のビジョンを共有する」このプロセスが踏まれていないなら、多分、カモにされるか、悪意なき効果の薄い提案しは出てこないってことです。残念ですが、これが現実ってやつです。相談相手が豊かでないと、多分、無理なんですよ…

いかん、脱線しました。

 

さて、こんな話をしてたら、その子はこう言いました「大丈夫、今は世界が繋がってるんだよ、だから日本だけでみなきゃいいんだよ」って。

そうか、ネットで世界とつながっているデジタルネイティブの世代は、それが標準なんだね、そこまで腹落ちしているんだね、凄いや! もう、感覚的にそうなっていることに気づいているんだ。

僕もまた、英語やろっと、なんか最近、ずっーと日本で仕事をしているイメージがなくなってきているからね。さて、皆さんは、今後どうなると思います?

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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