4月16日に、熊本県を中心として起こった今回の震災により、被災された皆様におかれましては、深くご同情申し上げますとともに、謹んでお見舞い申し上げます、また、一刻も早いご回復を、祈念させていただきます。
僕はざっきー、経営者専門の保険屋さん。大好きな経営者の皆さんにお節介をさせていただいて、経営者のビジョンに基づいて、事業価値の向上に貢献し、経営者の皆さんを取り巻くリスク(不確実生)からお守りするのが仕事です。
今回の被災地に事業所などがある経営者の皆様に、まずお伝えしたい事がございます。
今回の震災に関しては、災害救助法の適用を政府は表明しておりますので、火急な資金が必要になる場合も想定しますと、まずは、取引金融機関(銀行、信用金庫、証券会社、保険会社)に、すぐにキャッシュ化できる金額はいくらなんだ?という点の確認をすることをお勧め致します。
僕は、金融機関勤務だから、今回の震災に際しての支援について、ファイナンスのプロとして、ある意見を述べさせていただきたく思います。
僕が、社会に出てからの大きな震災で関わったのは、阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災ですが、実際にボランティアでの協力は阪神淡路大震災だけ。
実は、その当時だけじゃなくて、復興、復旧の後に、ほとんどのボランティアが撤退した後のサポートに関わっていました。まだ、終わってないんですよ、阪神淡路大震災だってね。支援とは、スポットではなく継続です。傷つかれた方々は忘れられる事が一番キツイのです。
キャッシュ イズ キング
その他の震災では、その都度、「義援金」という形で関わらせていただきました。僕の場合、それ以外にのUNHCRや、UNICEF、WFP、盲導犬募金から、あしなが育英会まで、収入の○%と決めて、寄付を続けております。
そうです、金ですよ、金。お前は、金か、と言われれば、何の後ろめたさもなく「はい、金です」と申し上げます!
だって、現地の要望とのマッチングの難しさや、実際のボラインティア組織の運営レベルなど、様々な「善意の迷惑」を経験してきたからです。
あのね、具体的に何かを否定してるんじゃなくて、一緒にやろうとか、拡散しようとか、イベントでとか、って責任の所在が曖昧になればなるほど「誰のために」が抜けがちになります。
だから僕は、自分ができることを、ずーと継続してやっていこうと思います。
東日本大震災の際も、最初はボランティアに行かれたり、会社で義援金を集められたり、積極的に発信されてた方もいらっしゃいますが、今、どうされていますか?
まだ、終わっていませんからね、できることを「続ける」としたら、価値の交換手段の「お金」である義援金は、どのような形でも「善意の迷惑」にはならないと思いますので、僕は「金ですよ、金」と思い、行動を継続します。
寄付金控除も使えますよ
まあ、僕はファイナンスの世界の人間ですから、こんな話になるのでしょうが、以下の視点をとって頂いてはいかがでしょうか?
経営者の皆さんは、それなりに所得は高いので、超過累進課税である所得税が多くかかっていると仮定すれば、寄附金控除という制度がございますので、所得税を払って、政府に分配を任せるのがお嫌なら、義援金という形で、支援したい方に直接行くような「寄付」を活用されるのがよろしいかと。
これだと、継続しやすくなりますよ。あ、この話、もちろんご存知かもしれませんんが、念のため。
義援金は、銀行の口座に送金ですが、そこには…
さて、話を戻しますね。この義援金なのですが、実は、マイナス金利政策の現在においては、義援金を送ることで、被災した地元に密着している金融機関にとっては、お荷物になりかねないことが、想定できてしまうんです。
いやはや、日銀の黒田総裁も、もしや、こんな事になるとは思っていなかったとお思いますがね、これを、解説させてくださいね。
日銀が、この3月18日から実施しているマイナス(ネガティブ)金利政策とは、金融機関に対して、日銀の当座預金口座(融資されていないお金や、国債などの債券にもならず運用されていない余っているお金が積み上がっている口座の事。日銀は銀行の銀行だからさ、それぞれの銀行のお金が、どこにもいかず、何もされず、ただブタ積みされている訳ですよ!)にある残高については、銀行が積極的に融資したり、使うことによって、物価を上昇させようってしてるんだから、しないのであれば、懲罰的(ネガティブ)に、一定額以上の残高超過分は、ペナルティとして金利取るぞ!って政策ですよね。
日銀の立場からすれば、こうまでしてるんだから、何とか融資するか、運用せい!って話なんですけど、銀行の立場からしたら、回収可能な融資先はないし、運用って、国債は日銀が買いまくってるんだから、株式って、そんなリスク商品、買える訳ねえだろ!って話です。
この状態って、小規模の地方銀行に関しては、融資先の拡大も厳しく、資産運用のノウハウもメガバンクとは違いますから、めっちゃ厳しい状態なんです。
あのね、マイナス金利って、銀行サイドから見ると「預金なんかいらん!」って話なんですよね。
こう考えると、僕の懸念がおわかり頂けるかもしれません。そうなんです、今回の震災では、すでに地方公共団体による義援金の口座が案内されていまして、僕自身もその熊本県のリンクを貼ったりしたのですが、、、
義援金の口座を見てくださいませんか?熊本県も、赤十字熊本支部も、その銀行は、肥後銀行(地方銀行)と、熊本銀行(第二地銀)そう、どちらも地元密着の地銀さんです。
被災地のこれから頑張る銀行を、応援するもの支援かも
今現在は、道路、鉄道、空港が閉鎖されていて物流そのもの混乱しています。だから、当面は物資を送らないほうがいい、ってのは伝わりますよね。だからって、義援金を送っても、そもそも価値の交換手段としての物資がないので、電信で送ったとしても、使えないかもしれません。
もちろん、復旧、復興には資金が必要となりますので、資金需要が発生し、将来は預金があっても困らない状態になるかもしれません。でもね、それはもっと後の問題なんですよね。
金融機関も、災害救援法が適用されると、緊急融資や、資金繰りの相談など、バタバタになります。金融機関自身の被災されていても、決済のためには明日から稼働することになります。経済を止めないことが、復旧、復興にはとっても大事なことを、僕たちは学んできましたよね。
だからこそ、被災地以外の方が、ちょっとだけ配慮できるとしたら、義援金の振込先金融機関を選ぶ、ってのがありなんじゃないかなって。
例えば、メガバンクや、ゆうちょ銀行の口座への義援金送金を考えるとか。義援金は日本赤十字なら、熊本支部じゃなくても、今回の震災の口座あるからね。
それであれば、メガバンク内の資金移動で済むからね!まあ、大きな金融機関には、マイナス金利のペナルティを受けていただき、被災地の銀行への負担を少しでも減らせるといいな、なんて思っちゃいます。
あとは、送金のタイミングですよね。だって、今、送っても使うための物資がないからね。明日から窓口が開くし、ちょっと様子見をしてから、義援金を送金してもいいかもです。行動しなければ、気持ちが伝わらない訳じゃないし、「善意の迷惑」だけは避けたいなと。
杞憂かもしれませんが、意外とこんなところに、マイナス金利の影響が出るとは思いませんでした。あと、これで、消費税の増税はあり得ませんね。ふぅ、僕の日経平均先物のポジション、どうすっかな…
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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