僕は、人との距離感は適度にあって、いいような気がする

僕が18年、今の仕事をしているということは、僕のクライアントの皆さまも18年歳を重ねられている訳ですよね。そうゆう時間の経過がありますので、経営者としてお会いした後に、第一線の経営からは引退された方も多々いらっしゃいます。

僕にとっては当然、人生の大先輩でもありますし、引き続きお客様ですから、お願いして、メンターとして教えを乞うている方も多々いらっしゃいます。

 

ざっきーです。経営者専門の保険屋さんです。経営者専門というのは、経営者という役職にいらっしゃる方々にとって、僕が体験してきたことや、仕事を通じてコンサルしてきたことが、経営者の皆さんの事業価値の向上や、リスク(不確実性)からお守りできることに貢献できる範囲が広いので、そう言っているだけで、生命保険募集人である保険屋さんに、何ら変わりはありません(笑)

僕には全くできないことですが、職場に顔を出されていて日常の交流があることで得られる安心感や、共通の趣味を通しての交流があったりする保険屋さんの方がいい場合も多々あると思います。

何が良くて、何が悪いなどというのは、人間関係にはないような気がします。もちろん、関係性が深い方がいいとは思いますが、ファイナンス(お金)がらみのことに関しては、良い悪いが如実に出て参りますので、その点だけはご注意いただきたいところです。

 

それは、金融機関が扱う商品は、共通して「お金」というものなのですが、お金そのものは、皆さんが要望されるものそのものではないはずなんです。お金というのは価値の交換手段、尺度、保管方法なので、可変できるわけです。だから欲しいし、いくらあっても困らない、それはそうです(笑)

でもね、だからこそ、いっぱい持っていても、いつ、どれだけ、何に使うのかというのは、そのお金を使うご本人すら、気づかない場合があるので、要注意なんですね。

そう、顕在化された要望は準備できても、潜在化されている要望は、相当なことがない限り気づかないし、聴き出せない、ここに専門性が出てくるんじゃないかと思います。

 

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昨日は、僕のクライアントでありメンターでもある方と、相続のMTGをしておりました。その方は、数年前に著名な映像コンテンツ制作会社の代表取締役をされており、法人での担当も、その他コンサルもさせていただいたり、個人でも担当をさせていただいておりました。

 

数年前に、会社は引退されましたが、その後のリタイアメントプランニングもちょっとだけお手伝いをさせていただき、ようやく、多忙な日々から、ご夫妻での時間が取れるようになったにもかかわらず、昨年、奥様を病でお見送りすることになられました。。。

ここ2年ほど、寄り添わせていただいたとはいえ、僕ができることなど、ほとんどありませんでした。弊社には「ライフプランナーがいない人生より、ライフプランナーがいる人生」などというキャッチコピーがありますが、現実は違うからこそ、より自分を磨かなければならないことを、僕の場合は、経験を重ねるほどに痛感しております。

 

それでも、病が発見された際の困惑と混乱の際には、少しだけそばにいさせていただき、僕が仕事を通じて体験した事柄や情報などを、もう一つの意見としてお話しさせていただき、できるだけ話を「聴く」ということをさせていただきました。

そばにいる、寄り添うというのは、具体的な行動としては、なかなか言葉で表せませんし、言葉で元気づけるのすら難しい時があることを、僕は知りましたし、自分ができることなどたかが知れていることに気がつきました。

人に何かできるなどというのは傲慢だと思いますし、今のこの日常こそが限られた時間であり、だからこそ大事にしないといけないんだと、本当に思うきっかけにもなりました。

 

愛する方が亡くなるというのは、本当に辛いことです。文字で表現できる能力など、僕にはありませんが、その時のことを思い出すと、胸が苦しくなります。

それでも、粛々としなければならない法律上の手続きや、法事法要なのがあり、ほんの少しづつ、時間の経過が、人の心の傷を癒していくのだとは思います。

 

ですので、奥様の訃報を直接いただいた時に僕がとった行動は、保険屋さんの教科書に書いてあるのとは真逆のことを致しました。頂戴したお電話で、混乱と悲しみに暮れられているのがわかりましたから、お悔やみを申し上げた後で、たった一言を、申し上げました。

 

「今すぐやらなければいけない手続きはございません。

 時期がきましたら、私の方からご案内しますので、

 どうぞ、お任せください」

 

この方の資産状況を、僕は存じ上げておりましたので、想像するに、経済的準備としての保険契約の支払いを急ぐ必要はありませんでした。これが、僕の保険屋さんとしてのスタンスです。

僕は、悲しみの淵にある方に対して、法的手続きや、保険の手続きのことなど、考える必要すらない。これだけをお伝えしたかったんですね。リカバーできることや、先送りしてもいいことは、プロフェッショナルとして提案します。大事なのは、人の心だと思うから。

 

その後、ご連絡を頂き、お会いして、いろんな手続きをご案内させていただく中で、その方が、おっしゃいました。

 

「いろんな手続きをしていると、急がされたり、

 全部代行しますから費用はいくらですとか、

 さらっとこれはどうですか、これに変えませんかと営業までされる、、、

 本当にこっちの気持ちなんかは考えてないし、

 まあ、考えてもらっても困るけど(笑)

 でも、なんだかなと思いますよ」

 

と、そうなんですね。いい悪いじゃないけど、僕は、こんなことしかできないんで、これが正しいのかどうかはわかりませんが、僕だったらこうしてもらいたいな、を基準にしています。もしらしたら、そうゆう価値観が一緒な方が、長く関係性を続けさせていただいているのかもしれませんけど。

そして、こう言って頂きました。

 

「絶妙な距離感があるから、すべての資産のことなど、

 他の誰にも話せない、君にだけだ」

 

嬉しい、超、嬉しい!僕、ちょっとだけ役に立ててるのかもしれません。

ファイナンス、特に相続という仕事に関しては、知識だけではなんともしがたいことが多々あります。だって、そこには人の想いが相当量はいりますからね。儲かった、損したの話や知識は、ほんの一部に過ぎず、それだけを優先すれば、後々禍根すら残しますから。真意も含め、現状把握できるというのは、とっても重要なことなのです。仕事としては当たり前ですが、人としてですよね。

確かに、僕としては、ビビリなところもあるので、あんまり近づけない自分がいるのも知っていますので(汗)頭をかきかきなんですが(笑)でも、自分の中で考え抜いた価値観でしか、やっぱり仕事としては表現できないんだと思うんです。

 

回りくどい点もあろうかと思いますし、そんな気を使わずに、とっとと進めてよ、という方もいらっしゃるかもしれません。だからこそ、僕は、こう思うようになりました。

世の中には、正しいことがいっぱいあります、そう、人それぞれに価値感は違うし、人ぞれぞれに判断基準も違うと思います。特に、人の感情というのは、こうじゃないといけない、こうあるべき、というわけではなく、お互いの承認だけがあるんだと、最近は思います。

やっぱり、自分の出来ることしかできないし、出来ることや大事に思っていることをやろう、もっと磨こう、大事にしていただいている方に寄り添おう、そう思えるのは、幸せなんだと思います。本当に、有難いな〜

 

最後に、その方に言われました。

 

「本当に絶妙な距離感なんだけど、

 君、生活感が全然感じられないよね(笑)」

 

えーっと、そこは突っ込まないでください、、、

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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