最近よく見かける言葉として「モノが売れなくなった」というのがあります。
人々の欲望を刺激して、購入を進めるといった、豊かなもの、便利なものへの憧れ、
そう、三種の神器や、新三種の神器、という、マスマーケティングは、
終わったのかもしれませんね。
消費そのものの絶対量が減少する現在にあっては、購買意欲を刺激するのは、
わかりやすい価格になりがち。
その結果、すべての生産、加工、流通などでは経費低下圧力がかかり、
価格競争の世界が続いて来て、今に至っていると言うのが現状じゃないでしょうか?
でもね、でもね。
現時点においては、GDPに占める消費の割合は、日本の場合は約60%。
付加価値の大部分が、この消費行動から生み出されているとすると、
工夫しない訳にはいきませんね。
そんな現状で、もしかしたら、保険屋の僕が、体験してきたことの中に、
ヒントがあるかもしれないと思い、書いてみました。読んでね~
僕は、ざっきー、経営者専門の保険屋さん。
クライアントの皆さんに、参考なればと思う情報を発信していきます。
全ては、仕事を通じて体験したことです。
耳触りの悪い情報もありますが、それこそ読んで感じて頂きたいです。
だって、経営者の方の判断ミスって、全てを失うので、
僕は、そうなってほしくないから。
事前に、ヘッジするのが保険だからね。
ほら、僕、保険屋だから(笑)
今日の話は「営業」です。
モノが売れない時代のマーケティングってのは、
専門家がいっぱいいらっしゃるし、
それは、僕には先生がいるから、それでよし(笑)
そうじゃなくて「営業」というものの本質をまとめてみますね。
さて、
僕は17年前から
「買って頂けないモノ」を売ってます(笑)
もちろん、今でもね(笑)
そう、生命保険契約っていう金融商品は、
積極的に買われる、あるいは勝手に売れる商品ではありません。
ですよね、皆さんの方から、買いに行きましたか?
違いますよね。
こんなこと言うと、最近は、保険ショップとかができていて、
買いに行きますよ~って。
本当ですか?
心の底から、欲しいと思って買っていますか?
あたなが好きな、洋服や、車、音楽や、旅行と一緒なぐらい、
心の底から欲しいと思って、
買いに行っていますか?
違いますよね(笑)
じゃあ、保険ショップでも、保険屋直接でもいいけど、
万が一の時に、いくら残すって、今後必要なすべての経済コストの累計だし、
それは、今と、10年と、20年後では違うんだけど、
そんな詳細に、購入者自ら計算して、
「すいません、保障額1億5千万円売ってください」
って、窓口に行きますか?
ちょっと脱線するけど、
例えば、30歳のお父さんが、60歳まで月30万円稼いで、
家族の経済コストを賄っていたとすると、
30歳以降に、元気だったら、30年分、
つまり、30年×12か月×30万円の給与をもたらしていた訳だよね。
これって、1億800万円なんだよね。
これが、人が生み出す価値なんだけど、どう思います?
自分が生きていれば、それぐらいは家族に残すんだけど、ちょっと上乗せして、
1億5千万円の保障額って、そもそも、思いつきましたかね?
えっと、そもそも生命保険って、もし、足らなかったら、
誰が困るんですかね?
あなたは、死んでますから、
困るのは、経済的準備を、残してあげたいと思った、
愛する人たちです。
そう、困るのは、あなたじゃないんですが、
ちゃんと、自信を持って、購入できますか?
ね、この話。
僕、真っ当なこと話していますが、
皆さん、そう思われていましたか?
ここまで聞いて、
「○○円分の保障を売ってください」って、窓口でいえますか?
魚屋さんなら、鮪の腹の脂ののったいいところ、とか、
肉屋さんなら、鶏もも肉200g、とか、具体的に注文できますが、
世の中には、そうじゃないモノやサービスがいっぱいあるんですね。
そう、世の中には、顕在的な欲求があるモノやサービスと、
潜在的な欲求のあるモノやサービスがあるのです。
前者は、購買行動を、顧客の方からしてくれますが、
後者は、購買行動を、顧客の方からはしてくれません。
これ、言い換えるとね。
前者は、問題解決をすれば、購入していただけるモノやサービス、
後者は、問題提起をしないと、
購入動機すら持っていただけない、モノやサービスとなります。
そう、生命保険契約なんてのは、後者。
知ったかぶりして、先生気取って、合理的にとか、シュミュレーションでとか、
問題解決しますよ!ってスタンスでは、購買になりません。
潜在的な欲求を喚起するためには、問題解決ではダメです。
翻訳するとね、
「だってさ、お前知らないから、教えてやるよ、
どうだ合理的だろ、知ったから、買うよな」
って、言われているの同じなんですよね。
わかりますか、これ。
伝わってますかね、これ。
そうじゃなくて、気づいてもらう、ようにしないといけないんです。
「こんな話があって、こんなことがあって、
こうすると安心できて、こうされたんですよ」
って話の途中で
「あれ、それ、自分もそうなんじゃない、
あれ、もしかして、それ、やばいんじゃない」
そう、気づいてもらう=問題提起、なんですね。
これ、特に、BtoBの営業では、最も重要なポイントです。
BtoBてのは、簡単に言うと、法人(会社)への営業の事。
対義語は、BtoC、そう、個人への営業ですよね。
BtoBの営業の目的は、ただ一つ、
「相手の利益に貢献する」です。
で、ここもポイントね。
相手の利益に貢献する、というのは、
2つの側面があることを、知っておかねばいけません。
一つは、売上に貢献すること。
もう一つは、経費削減に貢献すること。
この2つです。
「そんなこと言ったって、売上を貢献するにも、お金がかかることだし、
その上で、自分の商材を売ろうにも、買ってもらえないじゃない」
うーん、頭かたすぎません?
ビジネスは、バーターじゃねえし、バーターでビジネスは続きませんがな。
相手の売上に貢献するとは、何も、その会社のモノやサービスを、
買えよって、言っている訳じゃなくて、売上を上げるのにあったって、
何が必要なのか、まずは聞いてみて、役に立てることがあったら、やればいいんです。
それが、マーケティングの手法だったり、自社で成功した方法だったり、
まずは、売上を上げるにあたって、役立つことを伝え、貢献すればいいんです。
そう、まずは、こちらの話じゃなくて、
相手のお悩み事を解決することが仕事だと思えばいいんです。
これね、経費削減も、一緒なんよ。
どこが高いのか、そもそも今の経費は妥当なのか、などなど、、、
やっぱ、経費を下げるにあたって、何が大事なのかを聞いてみればいいんです。
そう、営業ってのは、
こちらを話をしに行くことじゃなくて、
相手が、何を、悩み、解決したいと思っているのか、
それを聞くことだし、相手がBroBであれば、
間違いなく、お悩み事は利益を上げることなんだって。
だから、
営業に行って「仕事ください」とか「これ買ってください」ってのは、
営業じゃない、のです。
相手が、新規の顧客であれ、
まずは、何らかの方法で知り合ったはずです。
資料請求なのか、展示会での名刺交換なのか、ご紹介を頂いたのか、
であれば、その出会いに感謝して、こちらの話などどうでもよくて、
このような話をするべきなのです。
「ありがとうございます。
せっかくですから、仕事上のお悩み事を教えていただけませんか、
感謝の証として、何か貢献したいので、あなたのことを教えてください」
です。
いかがでしょうか?
まして、相手が、、一度でも取引があったところであれば、
このような話をするべきなのです。
「ありがとうございます。前回はお世話になりました。
せっかくですから、仕事上のお悩み事を教えていただけませんか、
感謝の証として、何か貢献したいので、あなたのことを教えてください」
どうですか、一緒じゃないですかね。
これが、問題提起の方法です。
そうじゃないと、感謝もされない、気づかせてもくれない、
それでも、仕事をくれ、これを買ってくれなら、
こう考えるしかなくなりますよね、
「安けりゃいいよ」
僕、これが、デフレの原因の気がするんです。
僕、若い頃の営業は、仕事くれ、これ買ってくれ営業でした。
でも、わからないようにするために、スペックの説明したり、
比較したり、なんとなく、合理的な説明したり、、、
そう、説得していました。
こんなん、ダメだよ、、、
もし、これが営業の本質なら、相手の事を考えない、
メンタルが強い人になればいいのです。
トップセールスと言われる方の中には、そんな方が多いのも事実です。
僕の業界、その意味では、プロセールスの世界ですからね。
鉄のメンタル、ってか、相手のこと考えない人が…(自粛中)
でもね、そんなん、違うに決まってるじゃないですか!
てめえだけがよくて、相手に負担を与えるなんてことは、
お天道様が許さないのです。
これを、近江商人は、
「買い手よし、売り手よし、世間よし」
の、三方よしで表現した訳です。
営業を定義するとしたら、
「出会いや、今までの経緯を感謝し、
相手のお悩み事を真摯に伺い、
解決することで貢献し、結果、感謝を頂き、
モノやサービスを購入して頂く」
としたら、全然違う、景色が広がりませんかね。
御用聞きですらない営業を「くれくれ星人」といいます。
かつて、そうだった僕が言うのだから、事実なのですが、
営業とは、相手のことを真剣に理解するところから始まります。
BtoBの場合、先方の関心ごとは、皆さんと一緒です。
利益が上がること、に決まっています。
だから、
利益が上がる方法を、一緒に、真剣に考える人になって欲しいのです。
そんなことをする、くれくれ星人はいませんからね。
そうすれば、
相手が、モノやサービスを買うときに、必ず、声は掛かりますから。
さあ、こう考えると営業に行きたくなります(笑)
さあ、出かけましょう!
売上アップは、経営者の心配事や、お悩みを全て解決しますよ♪
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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