SDRに人民元が入る、この事からお伝えしたい事。

週末に、パリでテロが起きました、、、

本当に哀悼の意を評します。

 

状況からすると無差別殺人の現場を見たなど、

今後の影響の大きさに、深い悲しみを禁じ得ません。

 

とはいえ、同じ地球上のシリアでは、25万人の方が殺されて、

その本質的なきっかけでもあるパレスチナ難民の500万人の方が、

約70年にもわたって故郷に帰ることすらできない、そんな現状もあります。

 

そして今日、フランス軍による、ISILに対しての空爆という名の、

シリアに対する空爆が行われています、、、

 

「憎悪と悲しみの連鎖」

 

言葉では言い表せないぐらいの、

胸の苦しさと、秋晴れの空と、営業の数字を発表する会議と、

そして「非対称化する戦争」というの現実の日常。

 

そう、テロはどこでも起こる、

という現実の世界に、僕らは生きているのだと実感します。

そう、既に世界は「非対称化した戦争」中なのだと思うべきなのですね。

今を、大切に生きる事、やっぱり、これ大事ですよね。

 

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金融機関勤務の僕のブログの書き出しにしては、珍しいですよね。

 

でも、グローバル化した世界というのは、ありとあらゆるところで、

問題と解決策が絡み合い、存在しながら、一時的な均衡を保ち、

それを「平和」っていうのだと思うんです。

 

僕ができることは、僕が知っている範囲での情報を、お伝えすることで、

何か、皆さんの経営に関してのヒントになったりすればいいし、

皆さんがされている、企業の継続性というのは、平和を生み出す、

解説策の一つだと、僕は思うからなのです。

 

どんな状況でも、社会を構成するなら、何か価値提供をする。

そして、死は身近にあり、だからこそ、今できることを。

そう思います。

 

長くなりました。

ざっきー、保険屋、大好きな方々の事業価値向上に貢献!です。

 

SDRに人民元が加わる意味は?

さて、

広い意味での金融も、そんな世界の非対称性から生ずる問題を、

解決しようとして様々な政策が打たれています。

その一つが、今回決定した、

IMF(国際通貨基金)が、SDR(特別引出権)に人民元(元)を加える、

という話です。

 

IMF(国際通貨基金)ってのは、国際連合の専門機関で、

目的は「国際金融、並びに、為替の安定」です。

そう、グローバル化ということは、

金融そのものも、紛争の原因になりかねないので、

知恵を出し合おう、という理念から作られた訳です。

 

さらに、その活用方法は、IMFによる直接の融資もありますが、

IMF自身の基金規模には限界があります。

これでは、想定外の危機に対応できない可能性もあり、

IMF加盟国同士で使える安定化策として、SDR(特別引出権)があります。

 

SDR(特別引出権)とは、IMFに加盟する国が持つ資金引出し権、及びその単位である。

IMF加盟国はIMFに対し借入れを行うことができるが、1970年以降、

IMFを経由して他の加盟国からの資金調達が可能となった。

SDRは1960年代初頭に発生した国際通貨危機の教訓をもって、

1968年に、IMFの総務会決議によって創設され、翌1969年に発効した。

危機に直面した加盟国は、仮想の準備通貨であるSDRと引き換えに、

他の加盟国からドル・ポンド・ユーロ・円という、

通貨バスケットにある通貨を融通してもらう仕組みである。

(引用)wikipediaより

 

このSDR(特別引出権)の通貨バスケットについて、ドル、ユーロ、イギリスポンド、

円についで5番目の通貨として、人民元(元)を採用するという決定がなされたわけです。

 

ここままで読んでいただき、お分かりかと思いますが、

このニュース自身は、大したことはないかと考えます。

だって、SDR(特別引出権)の通貨バスケットに採用された、

というのは、安定化政策としては、まともだし、

もっともだとも思えるからです。

 

だって、GDPで世界第2位の国の通貨を、

危機に際して使えないって、リスク管理からしたら変ですし、

これによって、中国も勝手な事ができにくくなる、という、

政治の側面があることも、忘れてはいけないと思うんです。

国際経済システムに取り込まれる事は、中国にとっては、

一方で、身勝手な事ができにくくなる、という、

二律背反の側面を持つ事もありますからね。

 

で、

僕が、気になって、ちょっと調べたのは、現実の問題です。

そう、実際の決済の際に、決済通貨として元は、

どれぐらい使われてんだろ、って事です。

 

これご存知でした?

国際決済の実務においては、円はとっくに元に抜かれてしまっています。

おそらくですが、国際貿易決済での円の比率は約3%程度、

ですが、元は既に15%を軽く上回っているのです。

 

東南アジアでのビジネスをされている方は、このことは、

肌身に感じて実感されているのではないでしょうか?

元は使えるが、円は嫌がられる、そう、日常の消費の現場では、

こんな肌感覚があるはずです。

最近の話ですが、アジアの金融センターの一つであるシンガポールでは、

普通に元が流通していますよね。

円はどうでしょうか?あれだけ日系の飲食店があるのに、円で決済できますか?

 

過去の記憶の話なので、曖昧なのですが、かつてシンガポールから、

アジア共通通貨構想ってのがあって、円も乗りませんか?

って話があったのですが、蹴っているはずなんです。

 

まあ、国際通貨になるという場合、その国政府のコントロールは

しにくくなりますし、

そもそも、太平洋の反対側の同盟国はどう反応するのか(笑)

 

そんな事もあり、国際通貨を目指すのではなく、国際決済の際に、

自国の政策を反映できる余地を残しながら、国際化を避けたとも考えられる訳です。

 

あのね、日本の経済力が下がったとかいう事ではなくてですね、

国際決済通貨という、それぞれの国の思惑が入り組んだ方向で争うのではなく、

自国がコントロールしやすく、当時の輸出を中心とした産業政策では、

自国にとってその時点では国益となり得る方向を選んだのだと思うのです。

 

だって、円が、そうはいっても国際通貨の地位を保っていられるかというと、

それは簡単な理由です。

アメリカの国債を大量に保有しているから。

これだけです。

 

つまり、円の価値はドルで担保されているのです。

だから今でも、国際通貨の地位があるのです。

 

そうゆう意味では、中国は明らかに、アジアの通貨としての地位を目指しています。

これには、中国にとってもメリットもありますが、リスクもありますよね。

国際化という事は、自由化、透明化、遵法化ですから。

 

基本的には、何かを行う時には、メリットとリスクが存在します。

 

よくデメリットと言いますが、

大前提として、デメリットがあるものは、

選ぶべきではありません(笑)

あくまでも、メリットに対してリスク(不確実性)の大きさを判断する。

皆さんがされている経営ってそうゆう事ですよね。

僕も、クライアントの経営者の方から教えていただきましたから。

 

さて、脱線しました、話を戻します。

 

つまり、今回、元がSDRに採用されようが、されまいが、

すでに国際化という点では、円は、とっくに抜かれている。

という事を知ってください。

 

そして、だから、円の地位が落ちる、という指摘も間違ってて、

そもそも、円は、ドル(アメリカ)によって担保されている。

そうゆう政策を選択してきた訳でして、

この構造が変わらない限りにおいては、その地位を失うことはありません。

 

こう考えると、日本はアメリカの属国ではないか、

という話になってしまいますが、国際経済と国際金融、特に通貨の側面では、

ずーっと前からそうですよ、って事です。

 

だからね、集団的自衛権反対とかいいますけど、

とっくの昔からそうで、

法制化できなかった事を、今やってるだけですから。

 

だから、僕たちは既に、テロとの戦争に入っているんです。

嫌だと、やめろ、といっても、これが現実です。

現状把握をしない限り、問題点の抽出はできません。

 

最後に、ここまで読んでいただいて、

気づいた方もいらっしゃるでしょうが、

円は現在、ドルによって担保されてるんですよね。

 

で、円の国は、少子高齢化で、低成長をしていますが、

ドルの国は、これから25〜55歳という人口が増え、

しかも、世界的な金融緩和の中で、最初にQEをやめ、

利上げすら実行に移そうとしている国なんですね。

 

さて、皆さんの資産は、

何という通貨で、保管されていますか?

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木﨑 利長

木﨑 利長

ざっきー
1968年名古屋市生まれ。金融機関に勤務。クライアントの事業価値を向上させる事を目的とし、仕事を通して取り組んでいます。
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
 (※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)

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