先日、僕の財務の師匠が関わる、ある財務アドバイザー資格の講習会に参加してまいりました、ざっきーです。
そこで、まず冒頭に話があったのはが、2016年6月の日本経済新聞のショッキングな記事「2030年中小企業消滅問題」という話です。
日本経済を支えるのは実は中小企業です。
日本で登記されている法人が約270万社あると言われていますが、その97%は中小企業のカテゴリーに入ります。
そして、その経営者の中心年齢が、2015年には66歳となっているのです。これは、過去の統計からすると、この20年で19歳上がったことになります。
もし、円滑な事業承継や、若者の起業が進まなければ、2030年には、経営者の平均年齢は80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶことになってしまいます…
という話でございます。
そして、現在の統計上の現実としては、中小企業はその約70%が赤字決算を行い、そのうちの約半分が債務超過。
たとえ黒字であっても、現金収支、つまりキャッシフロー的には赤字である会社も考慮すると、約80%の会社が実質赤字と言われています。
ねえ、経営者の皆さん、赤字の会社を、我が子に継がせられるのですか?
僕には子供がいませんから、わかりませんし、想像の範囲内ではありますが、そんなこと、できませんよね。
そうでなくても、今の子供達が大きくなる頃、日本経済がどうなっているのかをちょっとでも想像すると、懸念材料の方が多いのです。
だから、僕は、こう思います。
「中小企業を元気にしたい!そして、元気になった中小企業が増えていけば、日本経済の底上げができる!」と。
保険屋としては夢みたいな話かもしれませんが、マジでそう思っているんです。
だから、僕は大好きな経営者の方にお節介を焼いて、その方のビジョンを達成すべく事業価値の向上に貢献して、経営者を取り巻く様々なリスク(不確実性)から、お守りしたいんですね。
そんな理念を共に持っている師匠の講義は、やはり久々に伺うと、新鮮な気付きもあり、改めて深く理解できたこともありました。
今日は、自分のための備忘録でもあるブログの内容になりますが、経営者の皆さまにも、何かとヒントになるところが、あるのではと思い、書いていきたく思います。
さて、現在、思う通りの経営をされ、何も問題がないという経営者のには、全く必要ないかもしれませんが、、、
多くの場合、現状には何らかの経営課題がありそれに挑戦されたり、問題そのものに翻弄されたり、そもそも不安なのだが問題の所在が分からずどこから手をつけたらいいのかわからない、といった状況まで含めて、何らかの「お悩み」があるのではないかと思います。
だからこそ、まずは現状把握を行い、真の問題を抽出して、具体的な解決方法を策定し、実行する。
これしか「お悩み」を解決する方法はありません。
時が解決する?そんなことはありません、残念ですが、経済環境がすぐに好転する要素、経営者の皆さん、あると思いますか?
景気循環でも下降期に入りつつあるのに、東京オリンピック?すでに織り込み済みであることは、皆さん承知の上と思います。
ですよね、建設、土木、製造業、どこで聞いても、現時点で先食いしてるって言いますもんね。だから、現段階でそれを織り込んだ利益が出ていないとやばいっすよね。
じゃあ、現状把握てのは、どこからやればいいのかですが、やはりこれは決算書を理解するところから始めるのがいいと思います。
決算書は、大きく分けて、損益計算書と、貸借対照表で構成されていますよね。
これも、定義付けをして理解しておくといいと思うんですよね。
損益計算書とは、
企業の一定期間の損益を表すものであり、5つの利益で構成されている。
5つの利益とは、売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益、
税引き前当期利益、税引き後純利益です。
このうち、本業の儲けを表すのが営業利益であり、そこから支払利息など、
本業以外の収支を除したものが経常利益、この2つの利益が、対外的な利益指標です。
つまり、損益計算書とは、その企業の「儲ける力」を表しています。
貸借対照表とは、
企業の決算時点における事業価値、つまり企業の財産の状態を表しています。
もっと具体的に言えば、どこから企業の資金を調達してきて、
どのような形で運用しているのかを、表しているものです。
企業の調達状況と、運用状況を表しているものですから、経営そのものです。
しかも、過去の決算期からの積み重ねの上に、あるものですから、
その企業を経営する「社長の性格」を表していいます。
そして、この2つの財務諸表は連動しており、どう関連しているかと言いますと、
損益計算書が黒字だった場合、5つの利益の最後の「税引き後当期純利益」が、
貸借対照表の純資産の部の「繰越利益剰余金」に繰入れられるんですよね。
そうすると、企業の総資産は、自己資本による調達によって、
現金が増えたその分だけ多くなるわけです。
そして、自己資本比率は高まります。
では、損益計算書が赤字だった場合はどうなるかといいますと、
赤字というのは、お金が足りない状態です。この時、企業はどうするのかというと、
借りてきて支払いに充てる、つまり借入金の増加か、
払わないという、未払金の増加、
どちらにしても負債の増加として、貸借対照表に表されます。
この場合、自己資本比率は下がることになります。
このように、損益計算書と、貸借対照表は、密接に関わります。
でもね、注意すべき点があるのです。それは、すべての企業のお金の動きを表してはいないのです。
これには、税務申告を目的として組まれている、管理会計の意味を理解しておかねばなりません。
管理会計とは、
わかりやすく言い換えれば、税金を最大限に納めるための制度のことです。
例えば、売上というのは派生主義で計上しますので、請求書を送った段階で
計上されますが、現金の回収はまだですよね。
現金という視点で見た場合、売掛金、受取手形、棚卸資産(商品)は、
現金化していません。言うなれば、会計上は流動資産であっても現金じゃないのです。
それと、現金の移動があるにもかかわらず、全く明記されないものがああります。
それは、借入金の元本返済額と、生命保険契約の資産計上額です。
管理会計だけでは、現金収支を正確に把握することはできません。
つまり、月次ベースでのキャッシュフロー計算書か、現金収支計算(キャッシュフローマネジメント)を行って、現金収支をチェックしない限り、適切な資金繰りを行うことはできません。
その都度、キャッシュが足りない分を補っているだけでは、借入金の返済は進みませんし、金利が高くなれば、間違いなく調達コストがかかりますから、低金利の現在以上に、リスクが極大化します。
別の機会に、また詳しく解説をしたいと思っていますが、今後の企業の税務顧問に必要な要素は3つあります。
1、クラウド会計
2、月次決算(月末締めの、翌10日出し)
3、現金収支計算書による資金繰りチェック
これが、すべてできない会計事務所は淘汰されるでしょう。ここ2〜3年の話と思います。
そして、この3つが出来るようになると、経理部門の負担が相当軽くなるので、その人件費を他の部門に振替流、つまりコスト削減が可能です。
また、正確な管理会計によって現状把握のタイムラグが短くなることで経営の機動性が、間違いなく上がります。
そして、現金収支を確認しながらの資金繰りができるので、適切な借入金のコントロールも可能になります。
ね。経営者の皆さんに、何らかのマイナス要素はございますでしょうか?
この今後の税務顧問に必要な3つの要素、今後も引き続き税務顧問をお願いしたいなら、早めに税務顧問に伝えてあげてくださいね。対応できなければ、否応なしに、生き残れないのが、今の税務顧問の状況です。
だって、これぐらい出来ないと、これから話す、借入先のメインとなる銀行の対応が、違ってきますからね。
さて、では、その銀行が、皆さんをどう見ているのか?これは、散々書いてきましたので、ご存知の方も多いとは思います。
銀行格付け(信用格付け)とは、
3つの視点からの評価による、融資先のランク付けのことをいいます。
決算書をベースにした数量を分析する定量評価(一次評価)、
業種や社歴など個々の環境を考慮した定性評価(二次評価)、
銀行担当者による在庫確認などといった実態評価(三次評価)です。
この中で、最も重視されるのが一次評価である定量評価で、
13項目、129点満点で評価されます。
これらのすべての評価によって、10段階の格付けがあり、
一番上の1〜6までが正常取引先、
7〜8が要注意先、9が破綻懸念先、10が破綻先です。
融資を受けるためには、1〜6の、正常取引先でなくてはなりません。
また、銀行は、この中で一次評価をする場合、中小企業の決算書が実態を表してないことが多いことを理解しているため、企業の現在価値分析を行っています。
これを業界用語で、実態貸借対照表(実態B/S)を作成する、と言います。
企業現在価値分析とは、
まず、中小企業の貸借対照表は、取得原価主義で作成されており、
時の経過とともに、含み損益が発生することがあります。
その、含み損益を再評価して、時価評価するのが、実態貸借対照表です。
そして、注意すべきは、資産計上されている勘定科目の中で、
銀行が、毀損資産と見なすのが、極悪三勘定と言われる、
貸付金、立替金、未収入金、です。
これらは、融資している銀行から見ると、迂回融資にも見えるため、
避けるべき勘定科目です。税務の視点では意識されませんが、
財務の視点では、経営者の定性評価をも下げるべき重大な項目です。
そして、銀行格付けをきちんと意識した経営視点のことを、銀行格付け経営といいます。
銀行格付け経営とは、
損益計算書について意識することは、
営業利益と、経常利益の極大化を図ることです。
貸借対照表について意識することは、
自己資本比率(30%以上)と、流動比率(200%以上)です。
これらは基準がありますので、基準値を意識した経営視点とも言えます。
最後に、意識すべき財務上の指標をまとめておきますね。特に一次評価の際の13項目の中で、明確な基準値があるものをおしらせしますね。
これは、大企業でも中小企業でも同じ指標ですから、客観的な評価として、経営者の皆さまの評価ともなります。誰が見ても評価される、というのは自信につながりますよね。
そうゆう会社であれば、初めて、お子様に継がせることができるんじゃないでしょうか?
基準値を持っている財務指標とは、
自己資本比率=純資産÷総資産×100 30%以上
流動比率=流動資産÷流動負債×100 200%以上
債務償還年数=(短期借入金+長期借入金+社債)
÷(営業利益+当期減価償却実施額) 10年以内
総資産経常利益率(ROA)=経常利益÷総資本 5%以上
さて、これらを意識しながら、まずは現状把握をして、本質的な問題抽出の際に、上記基準値を達成するにはどうするのかが、具体的な問題解決の施策のアイデアともなります。
え、よくわからないって?だったら、僕宛に、DMしてくださいね(笑)ちゃんとお伝えしますよ!それが、僕の得意技だから。
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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