今日、郵政3社が、IPO(新規上場による資金調達)されました。
さて、皆さんは、郵政3社の株式を購入しますか?
あくまでも、郵政3社のIPOの話であって、
事業そのものの話じゃないですからね!
そうそう、このブログは、あくまでも、僕、個人の意見であり、
所属する、いかなる組織を代表するものでも、
その立場での意見でもありません。
また、投資に関しては、各個人の判断にて行われるものであり、
一切、関知致しませので、ご了承くださいませ。
ふう。
ああ、僕、ざっきー、保険屋、経営者専門です。
僕の所感です。エッセーです。感想です。
でも、その中に、もしかしたら、僕の大好きな皆様に、
何かのヒントや、気付きがあるかも、と思い書きました。
軽いものなので、読んでね♪
そもそも、上場ってなんでしょう?
株式を市場で公開(上場)するということは、
決算情報などの、監査がなされて透明性が高まるとか、
外部からのチェックが入りますので、信頼性が高まるとか、
いろんな付加価値を手に入れることでもあると思いますが、、、
本質的な意味は、資金調達です。
はい。
会社が、資金を得る方法は、3つ。
売上、借金、資本金です。
ですよね。
今回は、単純化します。
というか、僕の師匠である、板倉雄一郎さんから学んだ、
ルックスルーという方法を使うと、見えてくるものがあります。
最終的に、誰から誰への価値の移動なのか、という視点です。
さて、
今回の郵政3社は、
資金調達として、株式を差し出し、
代わりに、資金を得るわけです。
ここで、2つのポイントがあります。
1)郵政3社が差し出す「価値」は何か?という点と、
2)株主はどのような「価値」を手に入れるか?です。
1)についてです。
報道などを見ると、配当利回りが、
ゆうちょ銀行も、かんぽ生命も、年利3%以上。
これであれば、普通預金の年利0.03%の100倍よりもはるかに高い!
と。
あまり大きな声では言えないが、預金や定期を取り崩しても、
株式を購入したほうがいい(笑)、
と。
はい。リスクを説明せずに、メリットを強調された場合、
その説明者は、あなたのことを「カモ」だと認識しています。
続けます。
2)についてです。
株式ですから、株価そのものは上下しても、
どうせ使わない貯金や定期預金のリプレイスなのだから、
年利3%の配当がでればいいし、
そもそも、国が大株主だし、いざという時はなんとかなるでしょ。
と。
はい。投資は自己判断で、すべての責任は投資家に帰結します。
さて、ルックスルーしましょう。
まず1)の株式を売り出す方の立場から、
そもそも、年利3%とは、どこから捻出されるお金でしょうか?
最初に申しました通り、株式上場とは、資金調達ですよね。
ということは、この調達した資金を元に、
少なくとも配当を超える事業に投資し、めっちゃ儲ける自信があるってことです。
さて、ゆうちょ銀行ですが、
メガバンクに匹敵する規模の資産を持っていますが、
大きな違う点があります。
それは、メガバンクっていうか、
銀行業としての収益の柱の一つである、
融資という事業がないことです。
あのね、銀行って、お金を調達してきて、貸し出して、
その鞘で儲けるのね。
もしくは、滞留している預金で、債権とか買って、
その利益で儲けるの。
めっちゃ、シンプルにいうとですが。
ということは、ゆうちょ銀行って、何で儲けるの?
って話です。
もちろん、セブン銀行など、融資機能を持たない銀行はありますが、
規模が、全く違いますからね。
人もいっぱいいますし。
そう、郵便局にいっぱいいますよね!職員さんのことです。
債権はたっぷり買っていますよ、日本国債(JGB)ですが(笑)
投資信託を売って、手数料で稼ぐ、、、
そうね、それもあるかもね。
でも、融資ほどの利益が、出るのでしょうか?
それじゃあ、証券会社の販売部門と、なんら変わりないですよね。
まあ、預金、定期貯金をリプレイスすれば簡単とも言われますが、
そんな単純にいきますかね?
リーマンショックで、どれだけの投信を塩漬けにしたんでしょうか?
金融庁の規制は、年々厳しくなっていますし。
そもそも融資って、そのノウハウも、人員も、システムも、
いろいろ必要ですし、
そもそも郵政民営化法で、その融資事業への参入って、
認められてないんだけど、、、
そんな経営をしばられた会社って、どうなのかな?
って、思う訳です。
そう、資金調達して、予想に反して利益が出なかったら、
配当は抑えられるし、そもそも、もっと、儲かるなら、
配当で釣るんじゃなくて、株価の上昇(キャピタルゲイン)で釣れよ!
ってことじゃない?のかなって思うんです。
ね、何度も言いますが、
最も効率のいい運用ってのは、複利運用ですよね。
複利ってことは利益を再投資して、更に大きな利益を目指す訳です。
もし、予想以上の利益が生まれなくって、
それでも、配当されたら、
それって、タコが自分の足を食っているような、ものなんじゃないでしょうかね?
さて、続いて、2)の投資家の皆さん、立場で考えます。
郵政3社のストロングポイントは、みなさんご存知ですよね。
そう、暗黙の「政府保証」です(笑)
これ、怒られっかな?
でも、世間からは思われているようです。
僕のは母親も、そういってますし(笑)否定しません。
そもそも、株主になるということは、
その会社を一部を支配することです。
では、その会社は、どんな資産があるのかっていうと、
ゆうちょ銀行も、かんぽ生命もそもそも資産規模が巨大だし、
資産の大部分も日本国債(JGB)だとすると、
メガバンクと違い、不良債権がないから、安心です。
なんて話まで出てくる始末。
ならば、それこそルックスルーしたら、
日本国債(JGB)買えばいいんじゃね!(笑)
て話ですし。
それならば、年利3%はどこから出てくるのか!ってことです。
本当に想像してみたらいいと思います。
言い方変だけど、
郵政民営化法で、事業融資を受けれないから、
資金調達を民間からできないのはしょうがないとしても、
社債での調達手段もあるのに、
なぜ「新規上場による資金調達」なのか、
って点を考えたら、
新たな価値創造がされない限り、必ず、
奪われるものから、得るものへの価値の移転しか起こらないことに、
気づきますよね。
そう、事業の資金調達ってのは、単純化すると儲かるからやる訳で、
儲からなければ、その資金ってのは調達できないか、
めっちゃ金利が高くなる訳です。
上場をすると、それを維持するためのコストもかかります。
また、以前にも話しましたが、資本調達コストというのは、
もっともコストがかかる方法です。
ザクッとですが、考えてみても、誰から誰への、価値の移転か、
わかりますよね。
広い意味での今の国民 → 郵政3社 → 政府
そして、よーく考えると、、、
今、年利3%とかで、受け取る価値ってのは、
広い意味での未来の国民から、広い意味での今の国民が、
先に受け取る、形ですよね。
そう、先喰いです。
さて、これから人口が少なくなります。
従って、労働者人口も少なくなります、
そして、日本国内においては、富は年齢別に偏っており、
若い世代ほど比較的資産形成できていない状況があります。
最近思うんです、サスティナビリティ(継続性)がなければ、
社会は継続できないはずです。だって、それが、論理の前提だから。
でも、なんかおかしいぞ、へんだぞ、って話は、
身近にあるんじゃないでしょうか?
年利だけにとらわれず、そもそもなんで、そんな利回りが可能なのか?
そのあたりからルックスルー、価値そののものは、誰から誰への移転なのか、
この視点は、経営判断に様々なアイデアを、導いてくれると思います。
軽く、って言ったのに、長くなっちゃって、ゴメンm(_ _)m
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
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