思ったよりも、景気は減速しています
消費税、8%に上がりまして、明らかに景気減速が始まっていますが、準備はされていますか?
そんなこと聞きたくないのか(笑)大丈夫だとか、東京オリンピックまではいいとか、これからこれからとか、いろんな声を聞きますので、現在の状況を検証してみようと思うのです。
そうですよね、常に「自社の強み」と「選ばれる理由」が分かっているところは、どんなマクロ経済状態でも大丈夫と思います。
パレートの法則を持ち出すまでもなく、各業種の上位20%は常に前年比を上回っていますので。
でも、ほとんどの事業、僕も含めてですが、やはり、マクロ経済の影響を如実に受ける事になります。
だからこそ、検証しようと思うのです。
貨幣数量方程式
さて、今回は、マクロ経済学の基礎の基礎である、アービング・フィッシャーの貨幣数量方程式もとに、検証しちゃおうと思います。
アービング・フィッシャーの貨幣数量方程式
”MV=PT=GDP”
M=貨幣供給量 V=貨幣流通速度 P=物価水準 T=取引量
いまさらですが、経済学部の方にはお馴染の、上記方程式をひっぱり出します(笑)
えー数式!って、難しい話にはなりませんので、最後まで読んでみてくださいね。
実は、これにあてはめて、アベノミクスを考えると、めっちゃ分かりやすいのです。
アベノミクスとは、M(貨幣供給量)とP(物価水準)を増大させる政策。そうするとGDPがあがるっていうことです。
ですよね、思い出しましょう、アベノミクスの三本の矢です。
1、異次元の金融緩和、
2、従来の財政出動、
3、岩盤にぶつかって、目新しくない成長戦略。
ごめんさない。言い過ぎかも知れませんが、これが現実です。
でも、この三本の矢と、貨幣流通方程式を見比べて見てください…これって駄目ですよね。
だって、V(貨幣流通速度)やT(取引量)がマイナスだったらどうなりますか?
掛け算ですから、GDP上がんないですよね
あなたの財布の紐は、緩んでいますか?
分かりやすくし解説しますと、V(貨幣流通速度)とは財布の紐が緩いってことです。
流通速度ですからね。お金が回っているということです。
現時点でも日銀が緩和して、お金をじゃぶじゃぶ供給していますが、なぜ、この流通速度が増えないのかといいますと、”不安”だからですよね!
消費税は上がる一方だし、給与は上がりましたか?って、従業員さんの給与のベースアップできましたか?
日本の経済を支える中小企業の場合、ほとんど、できていないんじゃないかと思うんですよね。
そんな、現状じゃないよと。
円安が進んで、物価も上がっていますが、うぇーい、って買い物していますか?
社会保障のベネフィットは下がる一方だし、不安はございませんか?
あと、株価上がって、金融商品の利益を確定して、利益分を使いましたか?
経営者の皆様に伝えたいのですが、今、瞬間的に業績がいいからって、経費使っているの、間違いです。
はっきり言いますが、どう考えても、間違いです。
日銀短観からも、景況判断指数からも、財布の紐が硬くなるのが普通です。
また、T(取引量)は多めに買うか、買い控えるかって事です。
Pがあがれば(インフレですね)Tの取引量は抑える方向になりませんかね。
価格が上がったら、節約をして、この取引量を抑えたのが、現在のデフレ要因の一つではないかと思う訳です。
つまり、M(貨幣供給量)とP(物価水準)だけの政策ってうまくいくはずがないのです。
何度も言いますが、安部政権前から、株価上がってますから(笑)
株価が上がったのは、日本の要因ではなく、アメリカの経済がリーマンショック前に戻りつつあるためで、一昨年の10月からです。
安部さん以前に、野田さんの前の話です。
DIをチェックすれば分かりますが、日本の政策とは関係がないことも分かります。
そう、景気は”気分”でものすごく左右される訳です。
僕の理解は、アベノミクスは、上記の理屈からいってうまくいきません。
GDPを上げるのであれば、上記のP(物価水準)とT(取引量)を上げる方法を考えねばなりません。
どうすればいいかって、簡単ですよ。
分かりやすく言うと「減税」と「給与アップ」です(笑) これがなされないと、せっかくの”気分”が下がる可能性があることを理解しておくと、いろんな準備ができるかもです。
それにしても、このまま、規定路線で本当に消費税を10%まで増税をするのでしょうか… 個人的には「あり得んなぁ」と思います。
物価が上がり始めて、財布の紐、締まってきていませんか? 今は、この反動に対して準備をする時期です。
リスクとは、不確実性にすぎません
仮説を立てるなら、売上や利益が下がる事を前提に考えるべきです。
不確実性は、仮説をたて、準備をすることで、リターンをコントロールできます。
準備をしないという事は、不確実性にさらされ、マイナスのリターンを享受しなければなりません。
僕自身も、一人親方の経営者。小さな存在ですが、準備を怠らなければ、大きな損失は起こりえません。
僕は、そう考えて、いつでもダウンサイジングできるように、固定費を極限まで下げています。
経費的なものや、生活に必要なものも、できるだけ変動費にしています。
だから、今まで生き残って来たのかも(笑)
まあ、それ以外に、思わぬ出費があったりして、経済的にも、心理的にもヘビーですけどね(苦笑)
木﨑 利長
化学メーカーの住宅部門に約9年。1999年2月生命保険会社に、ライフプランナーとして参画。
具体的には、上場企業を含む約80社の親密取引先のご縁を中心に、生命保険契約をお預かりしており、財務や資金繰りといった経営課題ついての改善や、売上を伸ばすための営業研修など、お客様の事業価値を向上させるための具体的なソリューションを提供し、経営者の弱音をも受け止められる担当者を目指し日々精進中です。
(※このブログでの意見は全て個人の意見であり所属する団体の意見を代表するものではありません。)
最新記事 by 木﨑 利長 (全て見る)
- 社長の仕事である「経営」とは何かを、分かりやすく定義してみる - 2024年11月18日
- 代表取締役が万が一の時に備える「補欠役員の制度」をご存じですか? - 2022年1月13日
- 「解決方法を設計する」という手法で、仕事に取り組みます - 2021年1月2日